その日の昼に健に連絡をしました。昨夜の事を話しました。
二日後に職場で顔を合わせました。 仕事が終わり帰宅しようと社を出た時
でした。 後ろから健の呼ぶ声がしました。「兄さん少し時間あります?」
私は帰り道で健と居酒屋に入りました。電話で話をしたことから改めて話をしました。
健には、それ以外に話したい事がありました。「兄さん、本当は別の話なんですが報告と言うか
相談があって。」「どうしたんだ?由香の事で他に何か話があるのか?」
「自分の事です。実は、もしかしたら実家に戻らなくてはいけないかもなんです。」
「実家に戻る?会社を辞めるってことか?」「早い話がそうなるかと。」
「何かあったのか?」健の話では、健には実の兄がいましたが健とは出来が違い会社でも重要なポストに
いるらしく会社を辞めることはどうかと帰省中に家族会議となったらしい。
親も健の事を心配していたみたいでした。健の実家は、田舎ですが大地主らしく健の将来を考えて所有している
賃貸住宅を管理させる代わりに家に戻る事を勧めているとの事でした。
細かな家庭の詳細は色々あり兄が実家に戻れないことである程度の相続も了承済とのことでした。
少し考えて答えを出せばと言ってはみたものの話を聞けば、健の親はもう62歳で兄とも歳が離れていることを初めて
聞かされました。計算すると実の兄は私より年上でした。そんな相談もありましたが結局、健は会社を退職する事になりました。
そんな重大な相談もあり私・嫁・健との出来事は記憶から消されるのだと思っていました。
私は健の事を嫁にも伝えていませんでした。何もなかったかの様に日々が過ぎていました。
12月になり直ぐのことでした。嫁から健の事を聞かれました。あれ以来、家にも来なくなった健でしたが急に健の話をされて
なぜかソワソワしました。「聞いたのだけど健君会社辞めるんでしょ?」「ああ。どうして知ってるの?」
「健君から聞いた。」どうも健から嫁に報告したようでした。理由も聞いているようでした。
確かに健は12月一杯で退職する事も決まっていました。
職場の送別会ではありましたが時期も重なり忘年会も兼ねて行いました。
12月6日に送別会。翌週は、別で健と二人改めて飲みに出ました。
健と解散し家に戻ると自然と健の話を嫁としていました。
その日も家には連れて来ませんでしたが健と飲んで帰ることを嫁には伝えてましたから。
「健君も、後少しで退職だね。」「そうだな。来週一杯出勤したら有休で休むから実質は後5日だな。」
「そうか、休みをとって退職なんだね。」「そうなるな。」
健の事を話していましたが何か嫁も他になにか言いたい事があるように感じました。
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