買い物も済ませ家に戻っている時でした。 歩いている嫁を確認できました。
しかし、横には男性が一人一緒に歩いていました。 声を掛けようにも
私はただ様子を見ているだけでした。 携帯を見ると既読にはなっていました。
改めて、連絡を入れました。 少し離れて後ろを歩いていましたが、嫁がカバンから
携帯を取り出すのが確認できました。 「ごめん。もうすぐ帰るから」と、ようやく
返事もきました。 とは言うものの、私の前を歩いている嫁。
確かに家の方に向かって歩いてはいました。 少し安心する気持ちもにもなりながら
先に追い越す事も出来ない状況で二人の後を歩きました。
家の前まで来ました。 しかし、嫁は家を通り過ぎて行きました。
その先は、数軒離れた場所にある叔父さんが所有する借家でした。
車が通れる道は行き止まりの場所です。 裏の大きな道に出るには細い路地を抜けるしかなく
言わば、行き止まり的な感じです。 敷地内に入ると、裏庭の方に向かっていました。
私は、草で茂った垣根の隙間から様子をうかがいました。
裏庭の縁台に腰を下ろしていました。 かすかな明かりで二人を確認できる程度でした。
幸い耳を澄ませば二人の話声は聞こえました。 どうも仕事の事を話しているようでした。
私は、ただ二人の会話に集中するだけでした。 話は、一緒にいる男性の恋話もしていました。
嫁は、同僚男性の相談に乗っていたのだと思いました。
ただ次第に展開が変わっても行きました。 「由美さんみたいな女性が彼女だったら…。」
「結婚してるから残念だけど…。」などと言った言葉を嫁に話しかける場面も。
嫁もそれとなく返事を返していました。 「こんな遅くまで、旦那さんに悪いよね…。」
「もう少しだけ時間、大丈夫かな…。」嫁も「そうだね。 もう少しだけなら…」
話は、嫁の男性経験についての質問になっていました。
「由美さんは、今のご主人とは…」嫁も私との成り染を話していました。
そんな会話の中、男性自身が悩みを相談する場面もありました。
嫁からは、励ましやアドバイス的な内容で男性に話しかけていました。
事が動き出したのは、そんな会話の途中に男性が言った一言からでした。
「ちなみに、由美さんから見て自分の事どう思います?」
「いい人だと思うけど…」 「いい人か。 男性としてはどう?」
「男性として…。 もう少し積極性があってもいいと思うよ。自分に
もう少し自信を持ってもいいかな。」 「自信をか。 積極性もね。」
「そうだよ。」 私には嫁が男性に対して励ましのつもりで掛けた
言葉と思いました。 しかし、しばらくの会話の途中でした。
薄暗い明かりにも目が慣れてきていた私には二人の姿が、ある程度
確認できていました。 その目に飛び込んできたのは、「こういった積極性は
だめですか?」そう言うと、男性は嫁の手を握りました。嫁は至って冷静な
感じに見てとれました。「こういった積極性ね。 どうなんだろう?」
少し沈黙が続いたと思います。 沈黙の中、男性が嫁の方を向き
ゆっくりと顔を近づけていきました。
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