今朝、真由美から『今から帰るから・・・』とメールが来たのが7時24分・・・。
『いいよ、買い物は独りで行くから。』
と返信。
『ごめん・・・直ぐ帰る。』
と返信が来るも実際に帰って来たのは約三時間後の十時半・・・。
帰るなり、誤魔化そうと私に抱きつく。
キスをしようとする真由美を振り払い、態度で拒否しながらも穏やかな口調で、
『今日はN坂さんのところでゆっくりして月曜日に帰って来れば良かったのに・・・』
と言いました。
すると、
『明日はライブに行く・・・(好きなアーティストのライブの)最終日だから。』
と応えました。
『だからムリして帰って来たの?・・・俺が死んでないか確かめに帰って来たんだろ?・・・死んでたらライブ行けないからなあ!』
『違うって、買い物に行くって・・・』
『今から行けるか!バカがぁ!俺よりN坂さんを優先して夫婦の約束もあっさり破ってよ、・・・俺に対する嫌がらせみたいなN坂さんの言うことには逆らえないように肉体どころか精神まで支配されてるなら離婚してN坂さんのところで暮らせよ!!』
久しぶりに真由美を怒鳴りました。
『明日、ライブを楽しんで来なさい・・・お前がN坂さんと楽しんでるときに俺は役場で離婚届けを取りに行って来るから・・・』
もう、諦めるしかありません。
完全な敗北・・・敗け犬です。
真由美は泣きながら洗濯と掃除に今夜のご飯の支度をしていました。
それから近くのスーパーやドラッグストアで買い物をしましたが、交わす言葉もほとんどありませんでした。
普段は真由美が運転して買い物など行きますが、私が義足を着けて運転しました。
と、言うより、私が独りで買い物に行こうと車に車椅子を積み込み、運転席に腰を降ろしたとき、家から真由美が
『待って!一緒に行くから待って!』
と叫びながら慌てて助手席に乗りました。
『いつも棄ててて、助けにはならんのにいらんときの邪魔はするんだな・・・』
それから真由美から何を言われても応えませんでした。
さすがに買い物してるときは周りの人の目がありますから多少の返事はしますけどね。
一通りの買い物を済ませ、家に着くまでもほとんど無言でした。
そして車から荷物を卸すときに真由美に
『もう、何を言われても響かんよ・・・心が死んだから。
別れるから、お前はとりあえず・・・N坂さんの所へ行け。荷物とか居るものだけ持って今から行け。』
と言うと、真由美は涙ぐんで、
『嫌あああっ・・・ごめん・・・ごめんなさい・・・ホントにごめんなさい。』
と庭で土下座しました。
『離婚届けにサインしたら連絡するからそのときだけ帰って来なさい・・・サインと捺印だけだから5分もかからないから。』
『嫌だ。ごめん・・・もう、絶対にこんなことしないから許して・・・明日も行かない・・・ライブも二度と行かない!・・・ごめんなさい・・・。』
『今までも何回もあったよね?・・・その度に抱きついてキスしたら俺が許すから今回も?』
『もうしません・・・絶対しません・・・ごめんなさい。』
『N坂さんは・・・・・・・・・お前が俺と別れたら喜ぶぞ!
御主人様に喜んでもらえることが奴隷の悦びじゃないのか?
泣いてないで・・・落ち着いて考えなさい。
N坂さんの方がお前を幸せにしてくれるだろ?
とりあえず泣き止んで、落ち着いて考えてみなさい。』
私はそう言って真由美を家に入れました。
それから泣き止んだ真由美はシャワーを浴びて崩れた化粧を直し、私にこう言いました。
『解った・・・今までごめんね。
今からあの人のとこ行って来る・・・。』
『ああ・・・そうしなさい。
それがいいよ。』
強がってもやはり寂しく、自分が敗け犬だと痛感します。
4時48分、真由美は出て行きました。
真由美との約9年ぐらいの夫婦生活は『寝取られ』にて幕を閉じました。
負け惜しみですが、まあ、なんとか独りでも生きて行きますよ。
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