嫁にも相談し、結果を出し親方の所へ嫁も連れて挨拶に
行きました。 その日も、ごちそうしてくれました。嫁も
親方の事を認めてくれました。「いい人だね。」
親方の所で働いている先輩方とも直ぐに仲良くなりました。
先輩と言っても自分よりかなり年配の方ばかりでした。
親方の親の代から働いている方も居ました。 その時、自分は
25歳で最高齢者は64歳の先輩が居ました。自分の親より年上です。
親方の親は、両親ともに早くに亡くなられたみたいでした。
年配の先輩などは、親方の事を「ボン」と呼ぶ人もいます。
会社の飲み会にも参加したときなどは、自慢げに親方の若かりし日の
事を話す先輩もいます。「まだまだ、親父には勝てないな」とか
「まぁー俺がボンを育ててやった」とか好きな事を言ってました。
あれから2年が経ち、自分も少しは板についてきました。
古株の先輩が、歳も取り仕事を辞める事になったのが切っ掛けで
したが、その方は親方の家の敷地内にある倉庫の裏で生活をしていました。
自分も遊びに行ってましたが、倉庫の裏と言っても平屋ですが自分からすれば
立派な家でした。 聞けば、もともとは親方の親が住んで居た家らしく
その後、親方が住んで居るいる家を新築して空家になったらしいです。
昔は、何人かで生活もしていた時代もあったと聞きました。
家賃はいらない。 光熱費だけは自分で支払。 こんな条件だったので、
家を貸してもらう事にしました。 親方は43歳の独身で、親方のおばあさんと二人で
生活をしていました。自分たちが、生活を始めてからは親方のおばあさんとも
仲良くなりました。 いたって平凡な生活でした。 そんな生活を始めてから
数ヶ月が経ち嫁から相談を受けました。「なんだか人に見られている様な気がして」
人に見られていると言っても自分には何も感じませんでした。それでも時々嫁から
同じ相談を受けました。 そんな出来事もありましたが、そんなさ中親方の
おばあさんが亡くなりました。 それ以降は、嫁が親方の食事を作る様になりました。
時々は、夫婦で親方の家に行き晩御飯を食べる事もありました。
色々な事もあり、嫁から「人に見られている」という話しも忘れていました。
仕事から帰ってきたある日、嫁から話がありました。 嫁に連れられ家の裏に行きました。
普段は、行かない場所でした。 人が一人通れる位の幅しかなく、その後ろは倉庫の壁でした。
「どうしたんだ?」「ここ」嫁が指を差しました。 そこは、倉庫の奥にある物置のかと思われる
場所でした。 「ここがどうしたんだ?」「丸穴」確かに通気口位の穴がありました。
「それと、あそこも」あと、数か所ありました。 「あそこから覗かれていない?」
誰が、あんな穴から覗く? 確か、あそこは親方がカギを持っていて普段は閉まっているし
中に入らないと穴から覗くといっても無理。嫁にもその事を説明しました。
親方の事を、疑う事もありませんでした。 もし誰かが覗いていたとしたら風呂場の窓も寝室の窓も
その方向にあるので、丸見えだとは思いました。 倉庫の壁しかないと思っているから風呂に入る時も
少し窓を開けて入る日もありましたし、寝室にカーテンは有りますが、絞めない日もありましたから。
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