「夫婦なら いいじゃないのぉ?」、「そんな 訊いて おまへんって、!」
「あれ? そぅだっけぇ?、」、「[ファイン]<city-hotel似のラブホ> 行くって 言ぅたんや、! っんな[ダンディ]<見た目ラブホ>みたく 近ぃ処 言ぅてまへん!、」
「だ・か・ら! 婚約中に モデルする奴が いかんのやろ!? ちゃう?! 」、「んっ~ でも 其れと此れとは別や!」
銭湯前の路地で、関西弁を混ぜた口喧嘩をしながら、溝川沿いに有るラブホに、奈恵の手を引っ張って行きました。
(そんなぁ 近い処は嫌ゃ せめてぇ 一駅 電車に乗ぅてぇ)と、女らしく当たり前の事を言って、周りの目を憚って気にしています。
「変態っ~!」、(全く嫌なら 路地裏なんて来ない、)、勝手に解釈した僕は、構わず手を握り引っ張り続けました。
「ピン ポーン」 自動ドアと同時に鳴り響くチャイムにビビった自分が、可笑しすぎました。
「どれがぁ~好いぃ?」
「どれでも 一緒やぁ~!」、そうは言うものの、奈恵の視線の先の、部屋の写真と値段の書いてある下の丸いボタンを押し、「ガチャ」と落ちてきた部屋の鍵を受け取り、<上り専用>と書いて有るエレベーターに乗りました。
薄明りのエレベーターの中で、何となく(夫婦になった)と、変な実感が湧いたのが不思議な感じでした。
僕にとっては、久し振りで行くラブホでした。 奈恵がどうかは、その訊いていませんが、「あんたとぉ~ 行った方がぁ 倍は有るょって、」、前彼との知らない部分を、ポツポツ話す奈恵でした。
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