「あっ ちょ 調子悪いなら びょ 病院行った方が・」
「ち ちゃうねん」
「ぅん? で でも 調子悪いんじゃぁ? 僕のせいで」
「そうじゃ 無いねん ´?`」 小焦れったそうにして、奈恵が言いました。
[長芋]効果を目の当たりにした僕は、咄嗟にある勝負に出る事を思い付きました。 横目で奈恵を観察しながら、焦る自分を宥めつつ、こう切り出しました。
「か 身体が変なら 無理し無くていいですよ」 虚ろなままの奈恵の、[長芋]効果の確認を続けながら、更に環を掛ける様に問い掛けました。
「帰りましょう 家まで 送りますよ」
「うん」 思わず奈恵が頷きました。 真顔で威圧感有りの僕に、断る気も失せたのでしょう。
奈恵を送りながら、無理にでも(色々聞き出そう)と、考えていた僕は、行き過ぎた態度が、真剣に顕れていたと思います。 奈恵が元気だったら、吹き出していたと思います。
「家は 近くで?」
「直ぐソコ ねん ぁん! はぁーん」 吐息が、どんどん色っぽくなって来ます。 知ってはいても、奈恵のアパートが目の前まで近づくと、ドキドキして来ました。
「あっ ふ~っ!」 吐息が聞こえて来ますが、苦しいと云う訳けでは無い様です。
「ココ ねん」 アパートの下まで来ました。 もう一度、勝負する時です。
「じゃあ 大事にね!」 顔を見下ろし、ゆっくり背を向ける様にしました。
「あっ 待っ 兄さん!」
(来た!)
奈恵が、僕を呼び止めました。
「上がってて 欲しいねん 何も 無い けんど」
(無いわけおまへん 20の女の子の部屋やぞ) 奈恵につられて、頭の中が関西弁で考えていました。
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