「え? 結婚式のDVDなんてあるんですか?めっちゃ見たいですっ!」
藤本が作戦会議で打ち合わせしたとおりの台詞を言った。
その横で、藤本に寄りかかるようにして明美も言った。
「私も見たい!藤本さんと初めて会った時のDVD、私も見たいーーー!!」
そうとう酒がまわっているのか、明美は藤本の腕に自分の腕を絡めると、その腕を揺すって言った。
当然、藤本の腕には明美の胸が押し付けられ密着していた。藤本は私にクシャクシャの笑顔を見せ、言った。
「先輩、早く見ましょうよ!!」
こいつ、、どんだけ嬉しそうな顔して笑うんだ?!俺の嫁さんなんだぞ。分かってんのか??
と胸ぐらを掴んで言いたいのをぐっと堪えて、私は結婚式のDVDをセットした。
「見て見て、藤本さん!4年前の私!懐かしい~!」
「奥さん、やっぱ綺麗っすねーー!」
「ドレスが、、でしょ?(笑) でも、私、若いな~。そういう意味ではたしかに今より、綺麗かも。。」
「今も全然、綺麗っすよ。っていうか、今の方がもっと綺麗ですよ!」
「ホントにそう思ってます??そんなこと言ってくれるの藤本さんだけですよ!!」
そう言うと、明美は藤本の腕をさらに強く抱きしめ、続けて言った。
「早く、藤本さん出てこないかな!?」
「もうすぐ出てくると思うよ。ほら、みんなで写真を撮ったときだよ。」
私はそう言うと、少しDVDを早送りした。
「あっ!いたいた。藤本さんがいた!」
もうすぐ、問題のシーンだ。
藤本の言っていたことが本当だとすれば、映っているはずだった。
会社の仲間達が明美と私を取り囲むように周りに集まってきた。
その中に藤本もいた。藤本はさりげなく明美の後ろにポジションをとった。
「な~んだ、藤本さん、私の後ろにいたんだ。。全然気が付かなった。」
すると、画面の中の明美がテーブルにおいてあるワインのグラスに手をかけた。
その瞬間、画面の中の藤本は斜め下を向くと、明美の胸の方に目を向けた。
そして、明美が友人のカメラに向かってピースをした時、藤本は少し驚いたような顔をすると
あからさまに体制を斜めにし、明美の胸元を思いっきり覗きこむように見始めた。
それには、さすがの明美も気がついたのか、、
「もう、藤本さんったら、どこ見てるんですか?!エッチなんだから!!」
そう言うと、明美は笑って藤本の太ももを軽く叩いた。
「す、すみません。つい。。」
藤本は頭を掻きながら、ペコペコ頭を下げた。
「いいですよ。藤本さんなら許してあげるっ!」
明美はそういと藤本を見てニッコリ微笑み、さっきは叩いた藤本の太ももを、優しく擦った。
俺のスゥエット着てるけど、そいつは俺じゃないんだぞ?!そう叫びたくなるのを、またも我慢した。
ちょうど、そのタイミングで結婚式のDVDが終わった。
「そうだ、藤本、新婚旅行のDVDもあるけど、見るか?」
作戦はここからが本番だった。
「はい!もちろん見たいっす!綺麗な奥さんの姿、もっと見たいっす!」
「明美もまだ見てなかっただろ? この前、やっとDVDにダビングしたんだ。」
「新婚旅行なんて、何撮ったんだろう?ぜんぜん覚えてないわ。なんかちょっとドキドキする。」
明美はそう言うと、藤本の太ももから手を離し、自分の胸にあてた。
そして、その手を再び藤本の太ももに戻すと、その手を左右に動かしながら言った。
「藤本さん、もし私が変な格好してても絶対に笑わないって約束してくれますか?!
「も、もちろん、約束します。」
「良かった。じゃあOKです!」
安心したのか、明美がDVDを視ることを了承した。すると、藤本が言った。
「じゃあ、奥さん、その代わりにちゃんと最後まで見せてくれるって約束してくれますか?」
「いいですよ。約束します。私は約束は守る女ですから!」
「本当ですか?じゃあ、もし奥さんが約束を破ったら?」
「藤本さんの言うこと、な~んでも聞きます。」
「じゃあ、僕も約束破ったら、奥さんの言うこと、なんでも聞きますね。」
そう言うと、二人はどちらともなく、小指を突き出し、ゆびきりを始めた。
ゆ~びきりげ~んまん、嘘つ~いたら・・・♪
「俺もダビングしただけで、まだ視てないんだからさ、とりあえず、見てみようよ。」
私は、まだ視ていない、、と嘘をついた。そして、
まるで恋人のように、ゆびきりする二人を横目に見ながら、私はリモコンのスタートボタンを押した。
そのボタンを押す私の指は震えていた。これからどんなことになるのか、想像すると胸の鼓動が早まった。
「うわ~綺麗な海!!見て見て、あれダイヤモンドヘッドじゃない?」
ワイキキの砂浜で白いビキニ姿の明美が遠くを指さして言った。
今更、自分で言うのもなんだけど、その姿は美しかった。白い砂浜にも、白いビキニにも負けない
白い肌の明美が海辺で戯れる姿が何よりも輝いて見えた。
「奥さんのビキニ姿、、マジ、綺麗っす!やばいっす!やっぱ、美乳っす!(笑」
「もう、藤本さんたら。そんなにジっと見ないで。。恥ずかしいから。」
明美は照れまくって、藤本の太ももを今度は大げさに叩いた。
すると、その手が藤本の股間を直撃した。藤本は股間を抑え、ウッと小さく唸った。
「ご、ごめんなさい。。」
妻も手に当たった感触から藤本の下半身がどうなってるのか分かったのか、真顔になって謝った。
「だ、大丈夫です。奥さんのビキニ姿がセクシーすぎて。。僕こそ、、すみません。」
確かに、妻のビキニ姿はセクシーだった。
本当は、私もそのまま明美の美しいビキニ姿を見続けたかったが、作戦の都合上、そうする訳にはいかなかった。
作戦を続行することにした。
「ゴメン、ちょっとタバコが切れちゃった。ちょっと買ってくるよ。」
「それじゃ、僕が買ってきますよ。」
「いいよ。どうせ、お前、どこに売ってるか、分からないだろ?」
「じゃあ、ちょっくら行ってくるよ。二人で続き視てて。」
そう言うと、私は家を出て、急いでマンションの裏に周った。そして藤本と二人で庭を覗いた場所まで来た。
少し走ったせいか、胸がドキドキした。でも、そのせいだけじゃないことは解っていた。
間に合うかな。。
私は急いで藤本が作った葉っぱの穴に顔を突っ込むと、リビングが見えた。
カーテンを全開にしておいたので、二人が座っているソファーも、テレビのモニターもハッキリ見えた。
そのモニターの中には海辺に溶け込む、セクシーな明美が映っていた。
良かった、間に合った。。
そう思った次の瞬間、太陽が輝く海辺のシーンから、ホテルの部屋を照らすオレンジ色の明かりへと切り替わった。
そこには、新婚初夜にふさわしい、大きなベッドの真ん中に裸で寝ころぶ明美の姿があった。
次の瞬間、リビングの中から明美の大きな声が聞こえた。
「ちょ、ちょっと、待って。。藤本さん、み、見ちゃダメ!」
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