その2
ある日、ヒロコと一緒に帰ろうと閉店30分前に店に行くと、週末と言う事で店はボックス席もカウンターも埋まっていた。
私の顔を見てカウンターの客が立ったので、そこに座った。ママがカウンターの5人を相手にしていた。
ヒロコを探すと奥のボックス席でサラリーマン風の4人を相手にしていた。
ヒロコを見ていた私に、隣の客が話し掛けてきた。「お気に入りはヒロコちゃんですか?」「そ、そうです。」突然だったのでどもってしまった。「私も大ファンなんですよ。何時来てもヒロコちゃんの客が多くて中々相手にしてもらえない。ライバルが多くて大変ですよ。」「私もですよ。」短い会話だったけど、夫である私は少し優越感に浸れた。
客が多くて店を1時間延長するようなので、サービス料金の私は、ママに気を使って、ヒロコに何時もの居酒屋で待ってるとメールして店を出た。
居酒屋で1人で時間をつぶしていると、ボックス席でヒロコが付いていた4人組が入ってきて隣の席にきた。「課長が狙っているヒロコちゃん、超可愛いですね。」「俺も単身赴任だし、こっちで女捜さないとやってらんねぇよ。その点、ホステスだと後腐れなくて女にするには持って来いだぜ。」「課長、けっこう、ベタベタ触ってましたね。」男達がヒロコをエロネタにして盛り上がって聞く耳を立てていると爆弾発言が。
「一昨日、酔ったヒロコちゃんを介抱するふりをして胸を揉んだけど、結構ボリュームあったぜ。ヒロコちゃんに付いている客は多いみたいだけど、胸を揉んだのは俺だけだぜ。」
私は愕然としました。スナックだから多少の身体へのタッチは覚悟していたが、胸を揉れていたなんて。油断していた私が甘かった。
「着々と落す準備をしていますね。」「本当は今日、アフターの約束だったんだけど、急にダメになったんだ。ヒロコちゃんの裸を俺のものに出来たのに、本当に残念だぜ。」
多分、私のメールで慌ててキャンセルしたんだと思います。こんな男とアフターしたらヤラれるに決まっています。危なくヒロコを毒牙から守りホッとした。
ヒロコから店が終わったとメールがあったので迎えに行った
私はヒロコに居酒屋での客の会話を話した。
少し前の事なので、ゆっくりと思い出しながら書いています。
※元投稿はこちら >>