手にかかった精液を処理している妻の背中に、私は声をかけました。
「紀子………まだ村瀬とこういう関係を続けたいのか
申し訳ないと思ってるとか言っておきながら敢えて俺を貶すような」
「最初に私を巻き込んだのは誰よ!」
ここで初めて妻が声を荒げました。
「私は嫌だって最初に言ったよ?それを毎日のように説き伏せて諭すようにいい続けたのは栄一さんでしょ?自分の性癖を満たすためにこんなことさせておいて、自分の予想が違って許容範囲を越えたら今度は愛妻に裏切られた被害者気取り!?」
確かにそうだ、妻の言う通りでした。自分の願望を妻に押し付けて底なし沼のような地獄に突き落とし、私はただ傍観しているだけ。
特別なものなど何一つ求めていなかった、平凡ながらも家庭を持ち、子供を持ち、他の人と同じ幸せを私とともに紡いでいくつもりだった妻。
抗うことも抜け出すこともできない快楽の中でもがく妻が一番の被害者でした。
「紀子…紀子、悪かった。本当に馬鹿だった。もうやめよう、仕事も変えて引っ越そう。村瀬の手が届かないところに行こう」
妻は先程のように重く冷たい表情になり、また小さな声で言いました。
「今日がある意味境目だったの。村瀬さんと時間をかけて話し合った…。
私を手離すことは辛いけど、栄一さんのことを考えるといつまでも続けるわけにいかないって。
だから私が密会していることを栄一さんに知られているって栄一さんが気づいた時、撮っておいた動画を見ようとしなかったら関係を終わらせよう。
その場で見ることを選んだら、それはつまり私の寝取られる姿を見たいと言うことだから、関係は継続しようって。
栄一さん、怒らないでね。私これからも村瀬さんに抱かれたい。責任とって見守り続けて…」
」
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