4巻目。H-4と書いたラベル。
暫くは映像がグラつき、ガタゴトしていた。前のテープの最後を思い浮かべ、気持ちが昂ぶった。
Montaの声か、何やら言っている。
首から下。妻が斜めにぼやけて映った。ピンとが合いズームが前後した。
「えぇっ?何か撮るの?」と妻。さっき撮られていたのも判っていないと思った。
「いやぁ大丈夫だよ。昼間上手く撮れてたか見ようと思っただけ。でも姫が撮ってって言うんなら今すぐ撮るよ(笑)」
レンズは妻に向き、妻もレンズを見ている。芝居が上手いMonta。録画状態なのを気付いていない妻。首を傾げ拗ねた顔を見せた。アルコールがすぐ顔に出る。首筋が少し赤く見えたが、多くは飲んでないと思った。
またカメラはグラつき、瞬間的にベッドにうつ伏せのOyakataを映した。酔い潰れたのか...。Oyakataとはあれだけか...前のテープからの時間が経過が判らなかった。
想像だがMontaは場所を移動したように思えた。椅子を引く音がした。多分デスクの椅子。違う角度からの妻が映った。髪留めを手に持ち、脚を組んでいた。
パンストの伝線は組んだ脚で隠れていた。
トイレの水の流れる音がした。カメラを横切ったKenjiも酒が廻ったようだった。
「無理して飲んだの?」とTokoroten。「かも...」とKenjiの声。
心配顔の妻も「きついんだったら少し眠れば?目が覚めたらシャワーしてもいいし...」と声をかけた。
「ですね...」間もなくKenjiがベッドにへたり込む音がした。
Kenjiとは何もないのか...判らない...。
誰も喋らない。妻は小さいアクビをし、手で口を覆った。
「まだもう少し飲もうよ...」とTokoroten。(寝てる)邪魔しないよう下(妻の部屋)に移ろうかと言った。
Montaも「そうですね...」と同意した。カメラをデスクの上に置いたのか。壁が映った。
「眠い?」「ううん...大丈夫...」「このボトル持っていきます?...」「つまみ適当でいいや...」「メモ残しといて...」「キー持った?」
Montaと妻の会話が聞こえた。
袋らしきガザガザした音がし、テープは止まった。
「これだけか...次だ次だ...」音を立てないように次のテープを探しデッキに入れた。
5巻目。H-5と書いたラベル。
見慣れない映像。妻の部屋のようだった。カメラは持ち込んだらしい。ガサッと音がし映像が傾いた。
手前のベッドの方から撮っているような横からの映像。位置は高い。何かの上か、吊り下げてるのか...。
ボトルとグラスが置かれたテーブル。ソファが対面で置かれ、ダウンライトだけの薄暗い中に妻とTokorotenが座っていた。
これにも妻は気付かないのか...Montaの凄さに感心した。
2人は何か話を交わしていた。妻は靴を脱ぎスリッパに。それを見ていたTokoroten。Montaは横に座った。
距離が遠いのか、何かがマイクを遮っているのか...、小さく篭った音だった。
話が聞き取れない。話の流れが読めないまま映像を見ていた。
身振り手振り。笑顔。男2人の話が楽しそうだった。
まただった。また急に雰囲気が変わった。
妻の差し出した手をTokorotenが触った。何か話していた。
Tokorotenは立ち上がった。座る妻の後ろから両肩を揉んだ。
手は肩から腕に。妻は上を見上げ、首をを振った。「もういいですよぉ」と言ったように聞こえた。
これか...また胸がバクバク軋んだ。
Montaはさっきと同じ。横で見ているだけだった。
Tokorotenは屈んだ。髪の匂いを嗅ぎ、後ろから胸を触りだした。妻は首をすくめ背筋を伸ばした。が、逃げない。
「妻が何でこんなに簡単に...」という想いが私の頭を混乱させた。
顔は髪から首筋へ、手は胸から腰、そしてくびれから前に、腿の外側と内側を撫でた。膝を手で掴み、顎を上に向けた妻。
服を着たままの念入りなタッチだった。理由は判らないが...それを妻は受け入れていた。
口の愛撫は手の指へ。手の甲、腕、二の腕に這い上がり、覗き込むような感じで脇の下に。右腕、そして左腕。ライトに照らされる爪。力みない指先。されるがままの妻だった。
息と布が擦れる音だけ...。唾の音がしなかった。
嫉妬...。妻が感じている...と思った。どこか客観的に見えた...感心する気持ちを受け入れたくなかった。
Montaの方をチラ見したTokoroten。Montaは黙って「どうぞ」と手を差し出し、微笑んだ。
Tokorotenは位置を変えた。妻の前にしゃがみ股を拡げた。妻が「恥ずかしい」と呟いた気がした。顔を斜めに背けた。が、手は彼の肩に添えた。
ショートパンツの裾が押上げられた。生地が食い込む股間に顔が埋められた。手は内腿を揉み撫でた。パンストの伝線が大きくなっていた。
長く静かな愛撫。股間から離れない。妻の体がゆっくりとうねった。
顔が付け根から離れた。息をするのを忘れていた。
舌が腿を這い廻る。垂れてるものを拭ってるように見えた。手はふくらはぎを摩っていた。
妻は逝ったのか...我慢出来なくなった。竿を出した。ベトベトだった。扱いた。果てそうになり手を止め、息をしてまた扱いた。
何度も繰り返した。だが、先を見届けるまでは逝かない...。そう決め、また扱いた。
(続きはまた)
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