当時を思い出しながら...DVDを見た。
1巻目。H-1と書いたラベル。
壁に新神戸駅の文字。前に立つ3人の男。
Tokorotennと若者2人(細い方がKenji、巨漢がMonta)。そして撮影者は自分撮りしてMontaと、其々が自己紹介し、「Sachikoの到着を待っているところ。」と言った。
録画は一旦止まり、建物沿いに歩いて寄ってくるバッグを持った女(妻)を遠目に映した。
「あれでしょ、来た来たぁ。」誰かの声。
近くに来た妻は照れた素振り。「Tokoroさん?...ですよね。それと..あっ、Oyakata?」指を差しながら笑い、何度もお辞儀をしていた。
顎を上げて口を尖らせ「暑い。暑い。」と顔を手で扇ぐ。いつもよくやる仕草が映っていた。
髪は下ろしていた。メイクは抑え目。リップは大人し目のオレンジ。爪も同系色に塗り、薬指にリングは付けていた。
モヘア素材の薄茶の薄手インナーに、デニムの上着と茶のストライプのショートパンツ。
ナチュラルなストッキングにこげ茶スエードの厚底スニーカー。165の身長が余計に高く見えた。
「こんな似てるとは...ウキウキです。」と言う撮っているMontaの声が入っていた。私も改めて「いい女」だと感じた。
次に映ったのは車の前。8人乗りのマツダのフレンディ。車好きだからすぐ判った。
ドライバ席にはKenji、横にいるOyakataも顔を見せてピースした。
妻は促され、後ろの席の真ん中に。屈んで乗り込むのを凝視するTokorotenをMontaがしっかり撮っていた。
車はあちこちの観光ポイントを廻ったようだった。
震災後初めて来た妻、「変わってるぅ。ここは新しくなってる。」と感慨深げ。詳しいKenjiやOyaataに学生のと頃の話をしていた。
その後、交代でカメラを持ったのか、内容が途切れ途切になり、意味不明に。
早送り再生していると録画部分が終わった。
2巻目。H-1と書いたラベル。
出だしに映ったのは、ホテルの駐車場。
Oyakataが先に降りて撮っていたようだ。皆が降りバッグを持って立っている。
「姫。いいよ、降りてきて。」Oyakataが言うと、妻が車の中からゆっくりと出てきた。恥ずかしそうに笑いながらステップを降り、一列に並んだ男と順番に握手した。そういう演出、誰かに言われたのだろう。くだらないが面白かった。
次はロビーのようだった。1人でソファで座っている妻。チェックインでも待っているのかなと思った。撮られているのを気付いてないようで、やたら舐めまわすような撮り方だった。
ルーム番号がアップに。「じゃあ開けますねぇ。」とOyakataの声。明るくなった部屋に皆が歓声、妻の驚く声も聞こえた。
部屋の全景が映る。
コネクションルーム。パーティションを挟んでベッドが2つずつ。部屋の奥には長めのソファとスツール2脚、近くにあるワゴンにはパーティ用の料理やグラスが置かれていた。
ベッドが4つ?4人部屋?疑問が生じた。
「すごく広く感じるね。」ドア近くに立ったままの妻、寄ってきたカメラに向い、感心したように言った。
「いい感じですよね?」と尋ねられ、「うん。いい感じ...。」と笑顔を見せた。
外の夜景が暫く映されていた。曇っていたのか少しぼやけ気味だった。
部屋の奥のソファに座った妻。ジャケットは脱いで横に置いていた。
中は肩口にかかる程度のノースリーブだった。手足が長いのでよく似合っていた。
向かい合って座るTokorotenとKenji。Kenjiは運転していた事もあり、それまであまり映っていなかった。背の高い醤油系の男前だった。
カメラ担当がまた変わったようだった。Montaの声が「どうですかぁ?」と訊く。
「いやぁほんと...綺麗です。ドキドキしてます。」応えたKenjiに、「あのね。姫の事じゃなく部屋の事を聞いたんだけど?(笑)」と突っ込んでいた。
雑談している映像がダラダラと続いた。Tokorotenはよく喋るが若い2人は案外大人しかった。
妻も笑ってはいたが、何処か盛り上がってなかった。
着いたばかり、まだお茶飲んでるし...。」と思った。先を見たくなり、早送り再生した。
変化のない映像から一瞬、妻が立ち上がるところが映った。
少し巻き戻した。
「じゃあ後で。すぐ来ますね。向こうはきっと狭いでしょうしね(笑)」妻はバッグに上着を引っ掛け、キーを手に持った。
「俺、部屋見たいな。」Tkorotenの声。「じゃあ一緒に。」Kenjiに続き、Oyakataも立ち上がった。
ひょうきんに口を尖らせた妻、Oyaataにバッグを差し出した。
4人は部屋を出ていき、録画はそこで終わった。
Tokorotenの話と違い、妻は別の部屋だと判った。何で変わったかは後で聞こうと思った。
3巻目。H-3と書いたラベル。
4人はまだ戻ってきてなく、Montaしかいないようだった。
意外にも彼は私に話かけていた。
これからはカメラ2台を固定にするという。
「上手く撮れるかは判らないから、悪しからず(笑)」のメッセージ。
聞いてもあまり期待を持たなかった。どうせまたダラダラ映像が写っているだけ、「見る価値ないかもな...。」と思った。
低い位置で固定したような映像に変わった。
ブレがおさまった。ソファがフレームの中心に入っていた。
変化のない映像が10分程、KenjiとOyakataだけが戻ってきた。
「(妻は)メイク直したら行くって言ってた。すぐ(来ると思うよ。」の声。
「ここに置くの?」とカメラけを覗き混むOyakata。
Montaは「絶妙な配置」と自慢した。
Tokorotenが戻ってこないのが気になった。
(続きはまた)
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