僕は7月10日という写真の日付に衝撃を受けました。
それが事実なら、美代子は僕とつき合いながらも所長と…ということになります。
しかし、事実か事実でないかは、すでに数枚の写真が証明していました。
所長がまたマウスをクリックしました。
「ひゅうっ」と五十嵐さんが口笛を吹きます。
また所長と美代子の2ショットのアップでした。
今度は二人とも画面を見ていません。
美代子と所長はキスをしていたからです。
所長が自らシャッターを押してるであろうピンボケの画面に、所長が美代子に覆い被さって片手で後頭部を押さえつけていました。
「所長、これ舌入れてるでしょう!」
堤さんが興奮した様子で聞きます。
「当たり前やん」
所長はタバコに火をつけながら目を細めました。
すると、突然、僕の腕を五十嵐さんが肘で突きました。
「おい、さっきから何黙ってんだよ。うらやましいんだろ、お前」
「い、いえ…僕は…」
僕は言葉が出てきません。
あまりのショックに、今目の前で起きていることが現実なのか、夢なのかわからない、いや、夢なら覚めてほしい、そんな思いでした。
「あれじゃないの。こいつ網膜にミヨリン焼きつけて、家帰ったら即行オナニーしようと思ってんじゃないの」
堤さんがたたみかけます。
「センズリのネタにするんやったら、この後からやで」
所長がいやらしく笑いました。
「こっから本格的やから」
(まだ…まだ、写真があるのか…?)
僕の心をさらに黒くて厚い雲が覆い隠そうとします。
所長が8枚目の写真をクリックしました。
「ひゅうっっ!」
ひときわ大きな歓声が起こります。
画面ではベッドの上、美代子が下着姿で横座りしていました。
前の写真にも写っていた水色の上下お揃いのブラとショーツです。
美代子はカメラを見て恥ずかしそうに笑っていました。
顔がアップになった写真を見た時から気づいていたのですが、お酒を飲んでいたらしく、顔がほんのり赤くなっています。
僕はこんな下着姿を撮らせる美代子の気持ちが信じられませんでした。
でも、写真はこれだけでは済まなかったのです…。
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