続き遅くなってすいません。
リビングでテレビを見ていると、あのDVDをプレーヤーに入れっぱなしにしていた事に今更になって気づきました。
「や、やべぇ・・こんなのあいつに見つかったら大変だ」
妻がいつかは俺があの日撮影されたビデオを見ることはわかっているとしても、やはりそれを知られたくなかった。トレイの開閉ボタンを押してケースにしまおうと指を伸ばしかけた時に妻が戻って来ました。
結局抜き損ねた俺は慌てて手を引っ込め「向井さん、なんだって?」と、話を振ります。
少し帰りが遅かったので、二人がどんな会話をしていたのかも気になりました。
「えっ?うん、この筍はえぐみも少なくて、刺身で食べるのが特に美味しいんだって。
ぜひ博之くんのビールのつまみに。だって」
あっさりと嘘を付く妻。男は嘘を付くのが下手で浮気はすぐにバレ、女の浮気はわかりにくい。と、聞いた事がありますが正にその通りだと思いました。
「そうなんだ。じゃあ、今晩早速食べたいな」
「そうね。後は筍ご飯も作って。今日は筍づくしでいこうかな」
料理上手の妻は冷蔵庫に残っていた食材を使い、筍づくしの晩御飯になりました。
食事をしながら楽しく会話をし、その後はテレビを見ながら、コーヒーを飲む。
そんないつもと変わらない日曜の夜を過ごしていました。
俺は妻に見つかる前に早くDVDを隠したい。それが頭から離れませんでした。
「お風呂に入ってくるね・・そうだ、博くん。たまには一緒に入る?」
妻のせっかくの誘いでしたが、断ってしまいました。
「いいよ。また裸を見たら変な気分になるだろう?今日はもう充分だよ」
「ふぅんだ。博くんのケチ・・」とちょっとふて腐れた妻は一人で入っていきました。
変な気分になって欲しくて誘った妻。そうすれば向井さんの誘惑に惑わされない。そんな妻の思いを知らずに、風呂に入ったのを確認した後にDVDを抜き取る予定でした。
「そういえば、どこまで見てたんだっけ・・」
そっと風呂場に近づき、シャワーの音を確認すると再生ボタンを押しました。
すると、妻が向井さんの上に乗って腰を振って喘いでるシーンが映し出されました。
「あれ?おかしいな・・確か二人が風呂に入りにいくとこで停止したんだったよな」
考えられるのは一つしかありません。そう、DVDを抜き忘れた事により妻が観てしまったのです。早送りをして自分が向井さんに抱かれてるところを。
こんな事なら、妻と一緒に風呂に入っていればよかった。後悔しても後の祭りです。
妻はあれを見てどう思ったのか。また向井さんに抱かれたいのか・・もしそうなら・・
向井さんを見送る時、もっと別の話をしたのではないか・・どんどん悪い方へと考えが行き、昨日のスッキリした気分はどこへやら、昼間妻を満足させれなかった事もあり不安が募ります。
ふと、テーブルにあった妻の携帯が目に入りました。
「まさか、俺に内緒で逢ってる・・なんて事ないよな?」携帯を見ればわかるかも知れない・・・・「イヤ、それはダメだ。もし見てしまってメールのやり取りがあったら・・」
ずいぶん迷いましたが、結局妻の携帯を見る勇気はなく、本来の目的「DVDを隠す」事にしました。ケースに入れて、DVDを置いてあるラックにしまいました。
「あぁ、いいお湯だった。博くん、お先」
「あ、あぁ、俺も入ってこようかな」
バスタオルに身を包みシャンプーの穂のかな香りを漂わせ、上気した顔・・ゴクッと生唾を飲んでしまった程、艶っぽい妻の姿。
向井さんも、妻を抱きたいと思っているのだろうか。見惚れていると。
「どうしたの?ジロジロ見て・・やっぱり変な気分になってきたの?」
と茶化してくる妻。昼間の失敗が自信を失くし、今はエッチしたところで演技交じりの喘ぎ声に興奮して情けなく果ててしまう。そんな自分しか想像できなくなりとても、抱く気にはなりませんでした。
「せっかく風呂入ったのに、また汗かくだろ?入ってくるよ」
逃げるように風呂場へと行きました。
つづく。
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