帰宅途中、どうやって話を切り出すか考えながらも、なかなか言い答えも見つからないまま自宅に到着しました。
「ただいま」
家に入ると、朝リクエストしたオムライスのいい匂いがしました。
「あ、おかえりなさい。今日もご苦労さまでした」
「うん、いい匂いだね。お腹ペコペコだよ」
「ねぇ、博くん。お風呂、後にしない?一緒に入ろうよ」
何かが変でした。晩ご飯何がいいか聞いてきたり、一緒にお風呂に入ろう誘って来たり、
昨日の向いさんとの事、そして夜の拒否をした事への後ろめたさが、そうさせているのだと思っていました。
日曜日もお風呂にと誘ってきた妻を断った事もあり、俺は即答で「いいよ。たまには一緒に入ろう。さぁ、早く食べよ」
オムライスの上にはケチャップで「ひろくん」の文字にハートマークが描かれてまるで新婚生活に戻った気分でした。
食事中もいろいろ話しました。その後、約束通り一緒にお風呂に入りました。
まず妻が俺の背中を流し「博くんってこんなに背中広かったんだね・・」
「んん?そうか?なんか今日の恭子変だぞ?」
「ぇえぇ?そんな事ないよ。たまにはいいでしょ?」と、あくまで普通の様子。
次に俺が妻の背中を流していると、まだまだスベスベとした肌、昨日できなかった事もあり俺の肉棒は反応し始め、泡だらけの両手を前に回して妻の胸を揉みました。
「キャッ。もう博くん。ダメだよ。後で・・」
「恭子の肌ってスベスベしてて気持ちよくて、つい触ってみたくなったんだよ。
誰かさんに昨日おあずけもくったしね」
さりげなく言ったつもりだったんですが、「うん、ごめんね」と急に真面目に答えたからビックリし「じょ、冗談だよ。気にするなよ。もう上がろうぜ」
妻の背中にシャワーを浴びせ石鹸をキレイに洗いながし、先に立ちあがると椅子に座ったままの妻の目の前に俺の勃起した肉棒が「もう、こんなにしてたの?じゃあ、昨日のお詫びに」少し元気になった妻は、椅子に座ったまま俺の肉棒を握り舐め始めました。
さらに、胸で肉棒を挟んできました。
「おぉ、久しぶりだな・・恭子のパイズリ。はぁはぁ・・柔らかくて気持ちいいよ」
舌も使って先っぽを舐められると我慢できなくなって「なぁ、ここでしようよ」
「ダメ・・ベッドがいいの」今日は変なところで頑固な妻。
「このまま、されたら出ちゃうよ・・早くベッドに行こう」
と、言うとゆっくり離れ、風呂からあがるとバスタオルで濡れた身体を拭きとり、
下着だけ着けるとそのまま寝室へと行き、妻をベッドに押し倒しさっきの続きをしました。
この頃には夫婦交換の事などすっかり忘れて、妻の体に夢中になってました。
妻は相変わらず、「あんっ、博くん。気持ちいい・・」の声で本気にさせる事はできませんでした。
やがて妻の中で果てた俺、それに付き合った妻。二人はパジャマを着てベッドに横になりました。そのまま寝ようと思っていた時でした。
「博くん、あっち向いて」といきなり言ってきました。
「どうしたんだ?」
「いいから。お願い。背中向けて」
妻の真意がわからないまま、仕方なく背中を向けました。
「博くん。今日はありがとうね、私のわがままいっぱい聞いてくれて」
沈んだ声・・でした。
「どうしたんだよ、改まって・・」と俺が言うのと同時くらいに両手で背中のパジャマを
ギュッと掴んできたのです。
俺はようやく妻の異変に気づきましたが背中を掴まれ身動きもできないままじっとしていると額も付けてきて震えてたのです。すぐに泣いているのだと思い「どうしたんだよ。何があったんだ?」
俺の声に一気に声を出し泣き出しました「うぅぅ。うぅぅ」と泣いたまま何も言わない妻。
しばらくすると鼻をすする音とともに話だしました。
「昨日・・博くんに内緒で向井さんに会ってました。いけないってわかってても、博くんを裏切るってわかってても止められませんでした」
まさか妻の口から正直に話してくるとは思ってもなく、
当然俺はその事を知っていたし、それについて怒ってもいませんだしたから、妻がここまで思いつめているなんて知りませんでした。
「そんなに・・向井さんが、いいのか?」
「愛してるのは博くんだけ・・今もこれからもずっと・・でも。身体が止まらないの。
私はほとんど博くんしか知らなくて、博くんとのエッチが全てでそれで満足だったの。
博くんの愛を感じる事ができて、私愛されてるなぁって思える瞬間だった。それでいいって思ってた。
でもね、向井さんに抱かれた時、頭が真っ白になるくらい気持ちよかったの。博くんの時も気持ちよかったんだけど、あの体が宙に浮く感じ。自分の体が自分でなくなる感覚。
痺れるような快感。これがセックスなんだって思ったの。バカだよね。私浮気しちゃったの。愛する博くんがいるのに・・」
妻の気持ちを聞いて何も言えませんでした。ここまで愛されていたこと。そして向井さんのセックスが男である俺以上に妻に影響を与えていたこと。
「博くんに、許してもらえるなんて思ってないの。向井さんに会いに行く時覚悟したから。
でも、最後の思い出に博くんの好きな物を食べて、一緒にお風呂に入って、エッチして。そんな新婚の時みたいなことを最後に味わいたかったの・・」
最後、最後と繰り返す妻。俺が浮気を許さないと思い、さらに俺を裏切った自分自身を許せず、うちを出ていくつもりで今日の行動に至ったこと。全てを理解しました。
「博くん、ごめんなさい。今までありがとう。明日、出ていきます。だから最後のわがまま。今夜だけは一緒に寝て下さい」
また泣き出す妻。今ここで止めなければ本当に終わってしまう。
俺たちの夫婦生活が。
「俺が許すと言ったら?元々俺の不注意でお前を向井さんに抱かせたんだ」
身体の向きを変えて正面に向き直り話しました。
その頃には俺も涙を流していました。一時の欲望に負けてしまった妻。それを知ってて妻の反応を楽しみ興奮に変えていた俺に責める権利なんてありません。
「えっ?でも、昨日は違うもん。私の意志で選んだの。そんなの許されるわけないじゃない」
「それでも許す。お前を失いたくないんだ。お前を愛してるんだ」
必死で説得しようと思いました。妻を失うなんて考えられない。
「私だって愛してる。でも、また向井さんに誘われた時、断る自信ないの。ううん、いつか私から誘ってしまうかもしれない。博くんに黙って・・それに向井さんの奥さんだって裏切ってる事になる。私がいると皆が不幸になってしまう」
頭がクラクラしてきました。妻を何とか引き止めようと言葉をかけましたが、聞いてくれません。
「と、とにかく。今日はもう寝よう。すぐに出ていく必要はないだろう?
明日もう一度話をしよう。いいね?」
少し落ち着いた妻も「うん、わかった。でも博くんに申し訳なくて・・」
「いいから。なっ?今日は久しぶりの新婚生活なんだろ?抱き合って寝ようじゃないか」
涙に濡れた二人。いつもより強く抱きしめ眠りました。
つづく。
※元投稿はこちら >>