始めての浮気と衝撃的なセックスを目の当たりにした私は帰り際に見送りをしてくれた涼子に釘を刺されました。
「あれでわかったでしょ?健に由紀を抱かせない事ね。もしまた次に賭けようって言われてもしない事ね」
競馬に行った時の帰宅時間にはまだ早く、近くのコンビニで時間を潰しながら考えていました。
もし健があの賭けを言い出したら…
妻が健に抱かれたら一体どんな反応をするだろう…
それを見てみたい。
もし私が勝てば…また涼子の身体を…
涼子との約束を守る事が最善だと思う気持ちと、妻が本気でイク所を見てみたいと思う気持ちが半々というのが正直なところでした。
いつもの時間に帰宅した私を出迎える妻。
後ろめたさもあってすぐに顔は見れず「どうだった?」
と聞く妻に「今日はトントンだった」と答えました。
「負けなかったんだからいいじゃない」
疑いもなく励ます妻に心が傷みました。
やっぱり賭けは止めようとその時は思いました。
それから2週間空いて競馬の誘いの電話。
迷うことなく行く私。
その日は1レース目から調子がよく少ないながらもプラスでした。
あの賭けを健は言って来るだろうか…
もし言ってきたら私は何て答えるだろうか。
そんな悩みも虚しく、賭けたのはいつも通り、昼飯とビールでした。
「今日は勝ったよ」
と帰宅した妻に報告すると
「じぁあ今日は外で食べない?」
久しぶりの外食。
少し高めの焼肉屋でデートを楽しみました。
その夜妻を抱きイクと言ってましたが、涼子がイク姿を見てしまった私は妻に演技されてると確信しました。
それからも一向に健からは競馬には行ってもあの賭けは持ちかけてきませんでした。
少し残念な気もありましたが、涼子が健にも私と同じ事を言ったのだと思い諦めていたころ、結局、初めての賭けから2ケ月程経った頃。
遂に健の口から「なぁ、久しぶりに過激なやついくか?」
と言ってきました。
私は迷った挙げ句、もう一度涼子を抱きたい。今度はイかさせたい。
同時に負けたら妻が抱かれるのを見れる。
色んな欲望に負けた私は、正し条件があると告げました。
もし私が負けた時、妻が同意しなければしない。
それから妻にはわからないように見たい。
私が目の前に居れば遠慮すると思っての提案に健は2つとも承諾し賭けは始まりました。
勝ちたいのか負けたいのか中途半端な私に対し、初勝負の時の私のように真剣な顔で新聞を見る健。
この時既に勝負は決まっていたのでしょう。
私は無難に5番人気の馬を選び健は12頭中10番人気の馬を選びました。
私は心の中で、あれ?何であんな馬を…負けたいのか?
なんて思い、レースはスタートしました。
スタートで出遅れた私の馬はシンガリから、一方健の馬は中段に位置しています。
元々予想した馬は追い込みタイプだったので勝つだろうと思ってましたが、健の馬は直線でもどんどん私の馬を引き離し、3着で入線してしまい、私は負けてしまいました。
「よっしゃあ」
と拳を高々と上げ喜ぶ健。
一方の私は負けてしまった事実に動揺を隠せませんでした。
妻が抱かれる所を見たい?
そんなの実現しないから興奮するんだ。
妄想だけにしまっておけばよかったんだと、胸が張り裂けそうな思いでした。
「ま、負けた…」
落胆する私に「まぁ、由紀ちゃんはオッケーしないだろ。晩飯で勘弁してやるよ」
私が勝った時に言った時と同じ事を言う健。
涼子曰く妻を抱きたかったであろう健も負けた私を見てそう思ったのでしょうか。
ですが私も「イヤ、賭けに負けたんだから。それに俺は涼子さんを…」
自分だけいい思いをするわけにはいかないと意地になり「なんとか由紀に話してみるよ」
「わ、わかったよ…」
私の変な気迫に圧された健がそう答えるも、どうやって妻に話すか悩みました。
帰宅してすぐに今日は負けた。と言いましたが、健との賭けは言えませんでした。
それから3日後、仕事を終えた頃に涼子から着信があり出るといきなり
「何で約束破ったの」
と凄い剣幕で言われ「どうしても断れなかった。ごめん」
と答えました。
それでも怒りが収まらない涼子は
「ホントにバカじゃない?そんなに由紀が健に抱かれるのを見たかったの?それとも私を抱きたかったの?由紀になんて説明するの?」
思わぬ質問責めに「正直に言えば、今は由紀が抱かれるのを見たい」
と言ってしまい、
「呆れた…どうしようもないね。どうなっても知らないよ」
どうにかなるも何も、もう勝負をしてしまった私にはどうする事も出来ず「取り合えず由紀にはまだ言ってないし、健も由紀が承諾しなかったら、晩飯って話になってる」
と、現状を伝えると、少し落ち着いた涼子は「まだチャンスは残ってるか。いい?私の気持ちも考えて。それでも宏樹くんが由紀を抱かせたいなら、私との事は伏せて賭けに負けたからと言えばいい。
でも、抱かれたくないなら、自分がしたことを詫びる事ね。
由紀がどう言うかはわからないけど、私と宏樹くんがってなったらおしまいかもね。
私と由紀の友達関係も終わるわ。
一番いいのは由紀に断れたって健にウソをつくこと。後は宏樹くん次第ね。じゃあ」
みんなの事を思っての涼子の言葉に、再び悩みましたが、やっぱり私だけ賭けに勝ってというわけにはいかず、妻に話してダメなら健に謝ろう。
それで全て終わる。
と、心に決め帰宅しました。
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