いつでも自分の家に入れる体勢の私でしたが、その後兼子さんからの着信はしばらくありませんでした。
私も少しイライラし始めます。
ようやく、11時40分ぐらいに電話が鳴りました。ワン切りです。
私はワン切りを返すと、緊張しながら車を降り、普段使わない階段を上がり自分の家の前まで来ました。
兼子さんにはひとつだけお願いしていたことがありました。
それは妻はいつも玄関を鍵だけでなくフックまで締めてしまう癖があるということです。
兼子さんには、もし、妻がフックを締めていたら、さりげなく開けておいてくれ、と頼みました。そうすれば、鍵を開けて自分で入ることができます。
それでも、鍵を開ける時は緊張しました。
ガチャッという音が妻に聞こえたらどうしよう…。
慎重に鍵を開け、慎重にドアを開けます。この時点で妻に見つかればすべて終わりです…!
ここで我が家のマンションの構造を書いておきます。
我が家は3LDK。
玄関を開けると正面に廊下、玄関に入ってすぐ左右に洋室があります。
入って左の洋室は子供部屋。右の洋室は服や物を置いたりしていて、いずれもうひとつの子供部屋にする予定の部屋。
廊下の突き当たりがリビングで、リビングに入る左手前に洗面所と浴室、さらにその手前にトイレがあります。
私と妻は、普段リビングと浴室の廊下を挟んだ反対側に面した和室を寝室にしています。
今日も妻がエッチをするならば、この和室でするのではないかと思っていました。
そっと玄関に入り、様子をうかがいます。
物音や話し声は聞こえません。
私は脱いだ靴を入って右側の洋室に隠しました。
仕事カバンは車のトランクに置いてきています。
洋室と壁一枚隔てた和室から、人の話し声のようなものが聞こえた気がしました。
やはり、兼子さんと妻はリビングか和室にいるようです。
私は兼子さんのワン切りの合図を信じて、忍び足で廊下を歩きました。
廊下に面して、和室に繋がる襖があります。襖を通しては気配を感じません。
廊下を突き当たり、リビングをそっと覗きました。
リビングにも誰もいません。
リビングに入って右には和室があります。
廊下に近い側のリビングに面した襖が半分だけ締まっていました。
半分は開いています。
その時!
「あ~」
という男の声が聞こえました。
兼子さんの声です。
声はさらに「あ~、いい、もっと奥までくわえて」と続きました。
妻がフェラを…!?
私は思いました。
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