店が閉店し暫くすると従業員出入り口から綾子が出てきた。
私「店長、お疲れ様です」
綾子「あれ?お疲れさま。上がってなかったの?」
私「ちょっと買い物してて。駐車場まで一緒に行きましょう」
綾子「そうね、従業員用の駐車場は暗くて物騒だから助かるわ」
一緒に歩きながら昨夜の事について切り出してみる
私「実は昨日、売場でお金落としちゃったみたいなんですよ」
綾子「えっ、お金?いくらなの?」
私「昨日は財布じゃなくてマネークリップから一万円札が落ちたみたいで」
綾子「、、、。そ、そうなんだ、でもお店でかどうかわからないんじゃない?」
綾子は正直に拾ったことを隠し繕った。
私は作戦成功!と思いながら少しずつ綾子に追求していく。
私「実は今朝防犯カメラで確認したんですけど、店長が昨夜レジ締めた後一度レジ開けてますよね?」
綾子「あ、あれは過不足なかったか気になって、、、」
綾子の表情から焦りが伝わってくる。
私「僕の一万円札拾ったんじゃないですか?それを一度は保管の為にレジを開けたものの、レジには入れずポケットに入れたんじゃないですか?」
綾子「そ、そんなことしてないよ!」
綾子は動揺が隠し切れず、オドオドし始める。普段はこんな泥棒などしないであろう良識ある店長であり、妻であり、母である綾子だが誰も見ていない中で魔が差したんだと思う。
というかそのように仕向けたのだから。
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