「もしもし?」と明るい女の声。
「もしもし?はじめまして…」僕は恐る恐る話す。
僕:「すいません。初めてなので何を話していいのか解らなくて…。」
女:「お兄さんおいくつの人なんですか?」
僕:「二十歳です」
女:「ウッソー!?タメじゃん!なんでそんな所にいるの!?」
僕:「いや、先輩に連れてこられて…」
同い年という事で僕らの距離が一気に縮まる。
女は早くに結婚した子持ちで旦那さんは飲食店勤務の夜勤者。育児の合間の暇潰しにたまにテレクラに電話をするとの事。
今回も電話を掛けたものの前に取った人が歳上で話が合わず、フロントに"若い人"をリクエストしたところ僕に転送されたらしい。
僕:「そっかぁ。たまに電話するんだ?会ったりって事もあるの?」
女:「滅多にないけどあるよ」
僕:「えー!?すごい!どんな感じだと会っても良いなって思うの!?」
女:「うーん。話してて面白い人かな…。」
僕:「そっかぁ…すごいなぁ…いいなぁ…。」
女:「お兄さんだったら会ってもいいかなって思うよ」
僕:「えー!?マジで!?」
僕は女が冗談を言ってからかっているのだろうと半信半疑になる。
女:「今日は旦那いないし遊びにきちゃう?」
僕:「いいの?場所とかどうするの?」
女:「大宮市大和田○○△△…電話番号は…最寄り駅で降りたら向かえに行くから電話して?」
僕は薄暗い部屋で真剣にメモを取る。
女:「時間どれくらい掛かりそう?」
僕:「一時間は掛からないと思う。また着いたら電話するね」
僕は慌てて店を飛び出し、電車に乗るべく大宮駅に走る。
因みに受付の男の話では先輩は僕よりも先に別の女性との約束を取り付けたらしく既に"外出"済みだった。
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