美人でもスタイルが良いわけでもない美穂だったが気の使い方や話が抜群に上手かった。
美人やスタイルが良くても話がつまらないホステスなど話すだけ時間の無駄だし、綺麗すぎてもコチラが構えすぎてリラックスも出来ない。
その点、親しみ易く格好つける必要も無い美穂のつく席は盛り上げる。綺麗なホステスなどどうせ何処ぞの金持ちに手をつけられるだろうし高嶺の花だと思うと家庭的な一面や、良く気が回り、話が楽しい美穂は店では人気のホステスだった。
人気有るんだね美穂ちゃんは。俺が言うと美穂はだって他の子と違って私は生活掛かってるから頑張ってるもん。そんなセリフをさらりと言う。
確かに美穂との会話は楽しいものだったが人気の美穂はあちこちのテーブルから声が掛かり、ごめんなさいねと何度も席を離れた。
その間に何人か美穂より若かったり、綺麗な娘が美穂の代わりに俺のテーブルについたが、お客さん、何か最近面白いこと有りましたか?と客に面白い話を聞いてどうするんだ。なんで金を払ってお前を面白くさせなきゃならないんだと思う様な娘ばかりでいい加減うんざりし、俺は人の話を聞く時にどうしても口が開いてしまう売りが巨乳だけの若いホステスに勘定を頼んだ。
巨乳嬢が店の男スタッフを呼んでチェックさせ、暫くすると男が勘定書きを巨乳に渡す。俺がカードの支払いを待っていると巨乳が美穂さんのお客さんなんですよね?今、美穂さんにお客さま帰るって言って来ますと言う。
俺が良いよ。忙しそうだからと断ると後ろから美穂に声を掛けられた。
え?サクマさんもう帰っちゃうの?
俺が、いや今日は初めてだから偵察。良いお店だからまた今度ゆっくり来るよと答えると美穂は、ごめんなさいね。古いお客さんが今日たまたま久しぶりに来て、なかなか席離れられなくてと言う。
俺がもう席に戻ってあげてと言うと美穂は俺にすっと近寄り私、今日は同伴客が先に帰ったから、もう上がれるの。あと30分で上がるから、さっきのバーで待っててくれない?全然席に座れなくてなくて、少ししか話せなかったから、良かったら待っててくださらないかしらと言って多くの酔客の心を掴んできたとびきりの笑顔を見せる。
俺はこれはまずいぞ、お前ハマるぞと言うもう一人の俺の忠告を無視して、そりゃ嬉しい申し出だなぁ、じゃあバーで少し飲み直そう。待ってるよと応じた。
これが美穂という正体不明の女に俺がハマっていく事になる美穂の最初の罠だった。
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