俺たちはその日、海岸で昼過ぎまで過ごした。
海岸では何度も見つめ合い、キスを繰り返した。
まさかこんな展開になるなんて思わなかった。俺がポツリと漏らすと、カオリはそれは私の台詞だわ。と笑う。
俺がまだお昼12時回ったばかりなんだね。と腕時計を見て気がつく。朝、6時過ぎからカオリと一緒に目まぐるしい展開の1日だった。そろそろ夕方の気分でいたが時刻は昼を回ったばかりだった。
ねぇまだ時間、大丈夫?俺はカオリに尋ねる。
勿論。大丈夫。カオリが答える。
これからどうしようか?と尋ねた俺に、どうしたい?とカオリが微笑む。
カオリは笑いながら言った。
ねぇ。たぶん同じコト考えてる。ユウちゃんは振られた次の日、ましてやプロポーズの翌日に違うひとに色々考え過ぎて言い出せないでいる。
だから、私が言ってあげる。
今、直ぐに抱いて。
俺はカオリを抱きしめた。
カオリさん、言えなくないよ。僕が言います。
貴方が好きだ。僕も今すぐに君が欲しい。
カオリは俺から身体を離すと俺の頬にキスしたあと俺を見つめて微笑み、言っちゃったね。と言った。
俺はカオリを見つめ返して、うん。言っちゃった。と答える。
じゃあ早く2人きりになろう。カオリが言う。
俺が、そうしようと立ち上がると立ち上がった俺に背後からカオリが抱きついて言った。
わたし、意外と本気かも。
俺は背後のカオリに僕は初めて本気かもと答えた。
俺たちは、そのあと海岸線をじゃれあいながら歩いていき、海岸道路ぞいのホテルに笑いながら入っていく。
チェックインを済ませてエレベーターに乗る。
カオリは、こんなカップル居るかな?1日で2度もラブホテルに行く人たちなんて。と笑う。
しかもラブホテルで一緒に泊まって、翌朝恋に落ちて付き合う事になって昼過ぎに別のラブホテルに行くって。そんな奴ら居ないよねと俺が笑う。
601だって。俺はフロントで渡されたキーについた部屋番号を見せる。
6階でエレベーターの扉が開く。正面に601号室。
俺が部屋の扉を開けて部屋に入り、背中でドアが閉まる音を聞いた時には、お互いの感情は高まり激しくむさぼる様にお互いのくちびるを吸いあっていた。
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