続き
どのくらい寝たんでしょうか。
喉が渇いて起きたんですが、部屋の中は真っ暗。
酔っぱらって寝てしまったけど、フィルムが飛んだわけではなかったので、状況を把握するまではさほど時間はかからなかったです。
“そうだった、圭子さんのベッドをお借りしたんだった、皆はどこ?まだ飲んでんのかな?すごく静かだけど皆帰ったんかな”
とりあえず、リビングの様子を伺いたいのと喉が渇いたのでリビングに行くことにしました。
リビングは真っ暗。玄関先のセンサーが動きに反応して電気が付きました。
誰もいない。キレイに片付いたテーブルと異常に静かな空間、しかも今日初めて会った人の(それも人妻の)家。
すごく違和感を感じました。ちょっと怖いくらい。
みんな帰ったんだ?起こしてよ!まったく!素直にそう思いました。
でも、圭子さんは?リビングには圭子さんの姿はなかったです。
まずこの喉の渇きを何とかしないと。いくら仲良くなったとしても、さすがに他人ん家の冷蔵庫を勝手に開ける訳にはいかないので
水道水を飲むことにし蛇口を開けコンプいっぱいの水を一瞬で飲み干しました。
喉の渇きもなんとか収まったところ、帰るにしても圭子さんには声をかけないとと思ったんですが姿が見えずどうしようと迷った結果
A君にメールを送って状況を説明してから帰る事にしました。
俺の携帯は?リビングを探しても携帯が見付からなかったので寝室のベッドに落としたんかな?と思って寝室を探しに戻りました。
寝室のドアを開けるとリビングの玄関先の明かりが真っ暗な部屋をドアの隙間から照らしました。
そこには圭子さんの姿が見えました。
俺が寝ていたベッドの下に座った状態でベッドに寄りかかって眠っていたのです。
起きた時に部屋が真っ暗で姿が見えなかったけど、ここにいたんだ?
さすがに今日初めて会う男と同じベッドに入って寝るのも無理のある話だし、俺にベッドを譲って自分はこんな窮屈な姿勢で寝てたんだ?と思うと
すごく申し訳なくて早く起こしてベッドで寝かさないと!と思いました。
俺:圭子さん、圭子さん下で寝ないでベッドに上がって寝て下さい。
肩を軽くトントンしながら静かに声をかけると圭子さんも起きてきました。
圭子:あら、起きたの?もっとゆっくり寝ればよかったのに。
俺:いやいや、本当ごめんない、酔いが回ってきて大変失礼しました。早くベッドに戻って圭子さんこそゆっくり休んでください。俺はそろそろ帰りますので。
圭子:今何時?夜中の4時じゃん、まだ電車もないわよ?!もう少ししたら電車動くからそれまでもう少しいてもいいよ。
俺:そっか、じゃリビングでもう少しだけお邪魔させて下さい。ありがとうございます。ところで皆は帰ったんですか?
圭子:うん、○○君がベッドに入ってから1時間しないくらいでA君は明日も仕事があるから先に帰ったんだよ、○○子もA君が帰りにタクシーで下すとの事で一緒に帰ったし。
俺:そうなんですね、起こせばよかったのに。。。本当長時間ベッド占領しちゃってごめんなさい。
圭子:いいのいいの!そんな堅くならなくても。
微笑みながら優しく受け答えする圭子さんの姿。。。
今までは全く下心もなく素直に友達のお店オープンを祝うためだけに来たわけなので全く女として意識しなかったので気付きませんでしたが、
うす暗い部屋の中の圭子さんの顔・表情・唇とうなじ、普段の部屋着姿(普通のTシャツにパジャマ)までも妙に色気を放っていました。
喉がまた乾いてきたかのように唾を飲み込みました。
俺:ところで圭子さん、何でわざわざベッドの下であんな疲れる姿勢で寝てたんですか?ソファで横になった方がもっと休めたと思いますけど。
圭子:それがね。。。○○君知らないよね?私のこと。
圭子さんは今まで見せていた魅力的な笑顔が一気に消え少し落ち込んだトーンで話し始めました。
つづく。
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