わたしとSEXしない?
おかしな話だがBARに女を誘った男ならたとえそれが初対面だろうが仕事先の関係者だろうが多少はそういったことを意識するであろう。
俺も正直言って人目を引く美人の美奈とBARで楽しい時間を過ごせれば良いと思っているが、そこは男だ。まぁ無いだろうが上手くいって2人きりになっちゃったりなんかしたら良いなぁ。先ず有り得ないがとは思っていた。
しかしいざ逆にこうも明け透けにSEXを誘われると勝手が狂うものだ。俺は仕方なく照れ笑いしながらわー有難う。オジサン、こんな若い子に誘われて光栄です。と言って水割りを一気に煽った。
意外とこんな時、男はまるきり意気地が無い。身体の左側全体に美奈の視線を感じるが横を向く度胸が無い。
俺は空になったグラスを差し出し、正面を向きながら吉岡というバーテンダーにお代わりを頼んだ。
かわいい。美奈の声が俺の左耳から流れ込む。
俺は情け無い話だがすっかり動揺していた。
またまた。オジサンからかってどうするんですか。勘弁してよ。焦る焦る。喉乾いちゃったよ。
タイミングよく吉岡が差し出した水割りのグラスを受け取り俺はグラスを焦る。
おかしな話だが俺は焦りながら頭の半分では、雑なバーボンの水割りをこの状態でもすんなり飲めるものに仕上げる吉岡というバーテンダーの腕に感心していた。
俺は吉岡に旨いです。凄い飲み易い。
なんかバーボンじゃないみたいだと声を掛けた。
吉岡は恐れ入りますと言って隣客のオーダーに取り掛かる。
話逸らした。狡い。恥をかかせないように気を遣ってるつもり?私、お酒以外は飲み込み悪いの。嫌なら嫌ってちゃんと言って。美奈は拗ねたような声で聞いてくる。
据え膳食わぬは男の恥という言葉を頭に浮かべながら俺は覚悟を決めて、美奈に向き直り言った。
最初はやっぱり男から誘わせてくれないかな?
美奈さん。僕とSEXしない?
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