続きです。
「美味しかったね、朝ごはん。あたしいっぱい食べちゃった」
朝食バイキングからの部屋への帰り道、彼女がご機嫌に腕を絡めてきます。
「俺も。部屋でちょっと休憩したらひと泳ぎする?」
「そうだね。昨日の晩御飯も沢山食べちゃったからしっかり運動しないと」
「ははは。運動なら昨日もいっぱいしたよね」
あのホテルに着いての二回戦の後、少し休憩して水着に着替え、プールと海で二人戯れると、その後は、部屋に戻る途中の木陰で、見事なサンセットを背景に、ゆうみの人生で初めての野外セックスにトライ。さすがに三回のセックスと水遊びで二人ともへとへとになったのですが、夕食で腹ごしらえした後は再び体力も回復し、さらに三度、ベッドや専用プールサイド、そして自室の屋外テラスで星空を見上げながら蕩けるように淫らな営みを繰り広げたのでした。
この朝も食事の前に、テラスで朝焼けを眺めながら熱いセックスを交わしています。(ゆうみはテラスでの営みを殊の外気に入ったようでした)
「こらー、お外でそういう話はしちゃだめ」
照れ隠しで、彼女が私の二の腕をポカポカと叩いてきます。
「だって、ここら辺は俺たちしかいないよ?」
「うん……」
小路で立ち止まると、どちらからともなくキスを交わしました。今や私たちは完全に恋人の距離感で、彼女が人妻であることをつい忘れてしまいそうになります。
そういえば、あの後、私たちのセックスを覗いていた女の子は結局、見かけることはありませんでした。
夕食や朝食のレストラン、プールバー、メイドさんなど、注意深く探してみたのですが、どこにも見当たらず。何故か少しがっかりしている自分がいます。多分、ゆうみとは人目を忍ぶ関係だからこそ、誰かに私たちの愛を見てもらいたい、という承認欲求が心の中に芽生えているのだと思います。もしかしたら、テラスでの営みを気に入ったゆうみにも、同じような気持ちが芽生えているのかもしれません。
「じゃあ、ひと泳ぎの前に準備運動しますか」
私は唇を離すと、ゆうひの首筋に顔を埋めました。
「……えいじさん、大丈夫? 腰とか痛くならない?」
「俺は平気だよ。ゆうみさんこそ、俺、いっぱい色んな恰好させちゃってるから心配」
「大丈夫、器械体操と水泳で鍛えた身体は伊達じゃないから」
そうなんです、ゆうみさんはとても身体が柔らかいので、普通なら厳しい体位でも簡単に試せてしまうのです。だから、私は興奮してくるとつい、彼女の妖艶な美しさをもっと引き出してみたくなり、つい無理をさせてしまうのでした。
「それに言ったでしょ? えいじになら何をされてもいいよ、って」
私たちはもう一度キスをすると、手を繋いで部屋に向かって再び歩き始めました。
「じゃあ、部屋に戻ったら子作りセックスしよう。その後、お昼ごはんまでビーチで遊んで、軽く食事したらマッサージにでも行こうか」
「うん……。あたし、早くえいじさんの子供産みたい……」
もちろん、ゆうみさんには低用量ピルを服用してもらっているので、今は子供ができません。
ですが、あのプロポーズ以来、結婚や二人の子供のことは良く話し合っていました。
「俺も、早くゆうみと幸せな家庭を築きたい」
今では完全に彼女の旦那さんの方が間男になっています。とはいえ、怪しまれて私と会えなくなるのも困るので、回数は少ないものの、旦那さんに求められると応じざるを得ず、その週末は二人で泣きながら、旦那さんの痕跡を消し去るように上書きセックスを繰り広げるのです。
幸い、この旅では私たちを邪魔するものはありません。私は彼女と早く愛し合いたくなり、彼女の手を引くと、足早に部屋に向かいました。
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