俺はあまりの気持ち良さにあっという間に弥生さんの中に果ててしまった。弥生さんとて同じだったゆっくりと腰を下ろして俺のペニスの先端が子宮に当たった途端に痙攣しながら前に倒れて逝ってしまった。
俺たちはそそくさと後始末をして、2人で肩を寄せて途中からではワケの分からないドキュメンタリーを見ながら興奮を鎮めた。
俺たちはその後、予約していた寿司屋に行き適当に摘んで酒を呑み一緒に帰宅した。
家に戻ると俺たちは風呂に真っ先に入る事にした。
湯を溜めている間に俺は生で挿入したこと、中に出してしまった事を彼女に詫びた。
弥生さんは生理不順でピルを服用して生理をコントロールしているから大丈夫だと言う。
それはまるで今後も気にせず生で中出しの承諾の様なものだった。
風呂が沸いた事を知らせるアナウンスと生活感の強いあの電子音のメロディが部屋に流れる。
今日の非日常的な経験とのあまりのギャップに2人で笑った。
俺たちは2人で風呂に入り、お互いを洗っていちゃいちゃして風呂場でもう一度交わった。
勿論、生で弥生さんの中にふたたび俺は精液を流し入れた。
こんな風に最初のふたつき程は月に2、3回会い、日に2回程セックスをして弥生さんは帰途につく様になっていった。
2人の関係性が変化したのはニヶ月経った頃だ。その頃には俺たちはお互いの身体が馴染み、色々な場所、時間でセックスを経験していた。
セックスが終わって裸体にシーツを巻き付けた弥生がベッド脇で缶ビールを飲む俺に言ってきた。
旦那が前から離婚はしない。やり直そうって言ってたんだけど昨日、私の実家に勝手に行って色々言ったみたいなの。今日、実はさっきから両親からLINEが散々来て離婚はいつでも出来る、縁あって一緒になったんだ、彼も大事にしたい、やり直したいと真剣に言っているから考え直せって。
それで今週の土曜日、夕方に実家で彼と話し合いの機会を作れって強引に決めてきたの。
ともちん、どうしたら良いと思う?
俺には全く関係のない話だ。
だがこの場合、弥生にあっさりとそうは言える状況では無い。身体を重ねる事は情を交わす事でもある。幾ら金の関係だと言っても週に2、3度は身体を交えると俺とて人間だ恋愛感情に似た感情も多少は芽生えている。
しかし他人は他人だ。
そもそも俺は恋愛関係の煩わしさを嫌って、金で済む関係を望んで、こうしてこの女と会っている。
俺は弥生の物言いに俺たちの関係に金以外の繋がりを滲ませるものを感じて、敢えてドライな言い方で返事をした。
旦那さん、凄いね。よっぽど弥生さんの事愛してるんだね。絶対に別れたくない。弥生さんを失いたくないんだね。良いじゃない、話し合うくらい。
別居理由は詳しく聞いたことないけど、生活や価値観のすれ違いなんでしょ?その件について弥生さんに合わせるとか、譲歩するとか言ってくるかもしれないじゃない。
俺がそんな風に少し突き放した発言をすると弥生さんは、そう…と言って黙り込んだ後、急に吹っ切る様にそうだよね。話しを聞かなきゃ分からないよねと言って俺を見やった後、今日はこれで帰るねとそそくさと帰り支度を始めた。
いつもは身支度や化粧に30分程度は掛かる女だ
俺が少しのんびりと構えている間に身支度を整えると化粧もろくにせずにさよならっと言って部屋を出て行こうとした。
俺は慌てて玄関で靴を履いている弥生さんに走り寄り、もう帰るの?ちょっと、今の話と言いながら彼女の肩にそっと手を乗せたが、弥生さんはその手を激しい勢いで跳ね除けた。
立ち上がり、玄関のドアを開けようとする彼女を捕まえようとしたが、俺の手を振り解くと俺に向き直り涙を目にいっぱいに溜めて
もういいっ!私が馬鹿だった!さよならっ!
と言って走り出ていってしまった。
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