こんな風に俺と弥生の関係は始まった。
ふたりで決めたルールは
1 デート代金は会った時に始めに現金で渡す
2 行く先、デートプランは予めLINEで送っておく
3 デート最中は恋人同士になる
4 デートは水曜日
5 セックスはゴム付で本番有り
6 月に2、3回程度
7 とりあえず一か月やってみて条件等の見直しや続けるか続けないかを決める
8 関係はどちらか一方がやめたくなったときにやめられる
こんな条件で始まった。
最初の逢瀬は翌週の水曜日、午後2時にコロナ影響による営業自粛を客数制限をして限定的に営業を再開した事が最近報じられた単館映画館に行き、時短による営業時間の前倒しで4時から営業をしている最近美味いと評判の寿司屋に行ってから自宅に一緒に戻ることにした。
物事は最初が肝心だ。
俺は彼女と恋愛がしたいのでは無い。熟女セフレと淫靡な関係を結びたいのだ。
最初のデートに俺はプレゼントを彼女に用意した。勿論、花束などでは無い。遠隔操作の出来る小型の装着型ローターだ。近所のドンキの18禁コーナーで俺はこの装着型ローターとバイブを数本、何着かの下着やコスプレ衣装を購入した。
LINEで前日、明日は変更無いですか?と弥生さんからリマインドが来た。俺は変更が無いことを伝え、プレゼントがあるからスカートで来てくれとLINEした。
当日、俺たちは単館映画館の最寄り駅で待ち合わせをした。弥生さんは約束通りグレーの上品なコートの下は膝丈の薄い水色の膝丈のワンピース姿で改札口に現れた。
改札口に俺の姿を見つけるなり、彼女は小走りで歩み寄り、ごめんなさい。待った?と笑顔を見せる。
俺は今、来たところだと答えると
恋人同士にならなきゃねと俺の腕に自身の腕を絡めてくる。
腕を絡めながら歩き出した弥生さんに俺が言う。弥生さん今日はプレゼントが有るんです。
弥生さんはパッと顔を明るくして何?と嬉しそうに尋ねてくる。
俺はビニール袋に入ったどぎついピンク色のローターを鞄から取り出して彼女に手渡した。
弥生さんはえっ!と驚いて周りを気にした。俺はしまってと告げる。
弥生さんは手にしていた小さな革製のトートバッグに慌ててローターをしまった。
びっくりしたぁ。こんなの昼間の往来で手渡すなんて!弥生さんは頬を染めている。
俺はこのタイミングで紙幣をいれた封筒を彼女に手渡す。これ。今日のお手当です。
弥生さんは中身をあらためず、有難う。と言ってローターを入れたバッグに仕舞い込んだ。
中身確認しないの?と俺が尋ねると信頼してるもんと返事を返す。
俺はポケットに忍ばせたローターのスイッチを入れる微かな音を立てて彼女のバッグが小刻みに振動する。弥生さんが顔を更に赤くして、わっなんかスイッチ入っちゃった!と言ってバッグの中をあらためようとする。
俺はスイッチを切り、ポケットから装着型ローターの小さなリモコンを取り出して弥生さんに見せた。
これで今スイッチを入れたんです。
弥生さん、映画館に着いたらトイレに行って今のローターを装着してください。ビニール袋の中の紙に付け方は書いてあります。
弥生さんは真っ赤になっていた。弥生さん、嫌?こんなことされる覗き嫌ですか?僕は弥生さんとこんな事をして楽しみたいんです。俺は彼女を見つめて告げた。
弥生さんは俺の腕にふたたび腕を絡めて、大丈夫です。ただちょっとびっくりしただけ。と答えた。
意外とスケベなんだね。なんかもっと真面目な人なのかと思ってた。
映画館に着いて俺がチケットを購入してる間に彼女はトイレに行った。
俺がチケットを手にロビーで待っていると顔を真っ赤にした弥生さんが恥ずかしそうに戻って来た。
付けて来た?俺の言葉に弥生さんは耳まで赤く染めて頷き、恥ずかしい。と呟いた。
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