それから数日たった平日の夕方、俺は会社でその日の事務処理やら翌日の準備などをしていた。気合いを入れてやればすぐに終わるが終業時間前に終わらせて余計な用事を言付けられると面倒なので時間調整しながらダラダラと倉庫で過ごしていた。俺は熟女からの電話がないかしょっちゅう携帯を見るのが癖になっていたが、胸のポケットに入れてあるはずの携帯がなかった。事務作業をしていた時に机の上に置いたままだ。慌てて事務所に戻って携帯を見ると10分ほど前に着信履歴が残っていた。熟女の番号だ。あれからずっと肌身離さず持っていたのに
『なんで今なんだよ!』
俺は早る気持ちと後悔が入り混じって抑えきれずに声を上げた。
『どうした、なんかあったのか?』
上司に怪訝そうな顔で言われ
『あっ、いやっ、なんもないっす。すいません、ちょっと腹痛くなっちゃって、トイレ行ってきます』
俺は急いでトイレに駆け込み留守電をチェックした。
『ケンちゃん、ごめんなさい。まだお仕事中ね。お願いがあるの。またかけ直します。お仕事頑張ってね』
俺は興奮した。熟女の番号は本物だったのだ。しかも、優しく『頑張ってね』と言うその声はあの時の恋人気分にしてくれた熟女の声だ。俺はもうそれだけで自分のモノが勃ってきた。すぐに折り返し掛けたかったがここではろくに話も出来ない。それにこちらからは掛けない約束だ。俺はとりあえず倉庫に戻り翌日の準備を速攻で終わらせて終業時間と同時に会社を飛び出した。
『どうすりゃいいんだ。どこ行きゃいいんだ。お願いってなんだよ。掛け直すって今日だよな、明日とかじゃないよな、電話鳴れよ。鳴ってくれ』
俺は祈るような気持ちで車に乗り、とりあえず自分の部屋に帰る方向へ走り出した。会社を出てから5分程走った所で電話が鳴った。熟女だ。
『もしもし、ケンタです。キョウコさん!待ってたよ!』
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