秋が深まってきたころ、桃子も残業が続いて疲れている様子だった。
なんとか元気づけてあげたいと思い、帰り道に少し話そうと公園に誘った。
とは言え、既婚者同士、夜の公園を歩くのはリスクがあるし、クルマの中で缶コーヒー片手に話していた。
疲れていた彼女も帰りがけには笑顔を見せてくれた。
そんな事を数回繰り返したある日、同じ様にクルマで話をしていたが、なんとなく手を握ってみた。
小さくて冷たい手。温めてあげたかった。思わず、肩に手を回し、キスは苦手と言っていた桃子にキスをした。
嫌だったのかも知れないか、拒まれもしなかった。耳元にキスをすると甘い声が。。
後ろの席に移動し、ぎゅーっとハグをした。「苦しい…」と桃子。なんだか抱き締めたかったのだ。
嫌われちゃったかな…と思いながらも、家に帰ってお礼のメールをした。
「狭いところでゴメンね。けど、なんか抱きしめたくて…」と言うメールに
「苦しかった…。けど、なんか嬉しかった」と桃子。「けど、広い所で…って訳には行かないよね。。」と返すと
「ハグだけなら広い所じゃなくても…」と。そんなやり取りがしばらく続いた。
※元投稿はこちら >>