美代さんは重ねていた唇を離すと「ダメだったの、、、」と言って涙を流しながら僕にしがみついてきました。僕はこんな時どのようにしたら良いのか分かりませんでしたが、自然と美代さんを両手で抱きしめてギュッと力を入れました。美代さんはただただ僕の胸の中でヒクヒクと身体を揺さぶりながら泣いていました。何て声をかけたらいいのかも分からない恋愛初心者の僕は美代さんの気持ちが落ち着くまで、抱きしめることしか出来ませんでした。
ようやく気持ちが落ち着いてきたのか、美代さんの方から喋り始めました。
「圭くんが私に告白してくれた時があったでしょ?あの時本当はすっごく嬉しかったの。私も圭くんがバイトに来てから毎日がすごく楽しくて圭くんと一緒になれたらなぁと思っていました。けれども、長年付き合っていた彼氏もいてたし、社会人としてそれなりにしっかりとしていた彼だったので、私の両親も是非彼と結婚しなさいと前向きだったの。でも、結婚してからの毎日が本当に悲惨だったの。」
ここまで一気に美代さんは喋ると、僕の顔を見て手を繋いでくるとその結婚生活についてゆっくりと喋り始めました。
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