次の日の日曜日、朝現場に入ると普段の慌ただしい感じとはうって変わって静まり返っていて・・
休憩所に向かうと明かりがついていてチホさんは来られていました。
「 おはよーございます! 日曜日ってこんなに静かなんですね! 」
「 おはよ! でしょ・・ まわりも休みだからね! 」
そんな感じで答えられた彼女の雰囲気がいつもと違う感じに見えます。
いつものように向かい側に座りお喋りを始めると雰囲気が違う理由が直ぐ・・
普段は眉を描かれる位のほぼスッピンな彼女がナチュラルですがメイクをされていました。
元々、目鼻立ちが整われたチホさんですから、ナチュラルメイクで美人さんが増しています。
「 あ~っ! 〇〇さん・・ 」
「 もぉ・・ 今日は日曜日だからぁ・・ 」
メイクに気付き覗き込むようにして見る僕に、チホさんは何とも気恥ずかしそうに・・
昨日僕が『せっかくの美人さんなのに・・』と言った言葉でメイクをしたと思われるのが照れ臭いのかも知れません。
もしそうだとしたら、彼女の部下の若い作業員さん達と同様の弟的感覚から異性として意識し始めてくれてるかもと・・
少し雰囲気の違うチホさんをと喋っていると監督さんが入ってこられました。
「 朝礼と打ち合わせは無しだから! 作業開始は9時からで、夕方5時には現場を出れるように頼むね! クロス屋さんには言ったけど、今日はロングは使わないように!」
如何にも眠そうな様子でそう言われると再び事務所にあがっていかれます。
「 じゃあ、養生が終わったら手伝いに行きますね! 」
「 せっかく早く帰れるのに悪いわよ・・ 日曜日なのに・・ 」
「 でも、1人じゃ寂しいでしょ〇〇さん? それに、いつにも増して美人さんの〇〇さんをしっかり見ておかないと・・ 」
「もぉ・・ 〇〇君ったら・・ 馬鹿ねぇ・・ 」
照れ臭さからか、ワザと呆れたような表情を作ってそんな事を言われますが、普段見せるさばさばした男っぽい部分は・・
9時になり、監督さんが用意して下さった養生材とテープを持って6階へと上がって大理石の床の養生を終えるとチホさんが美装されてる部屋に降りました。
日曜日の只でさえ静まり返っている現場で、部屋に入ってドアを閉めると床に擦れる足の音さえ異様にクリアに聞こえ・・
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