法子は若い頃はセラピストの仕事をしていてマッサージが得意だという。
腰痛持ちの俺は自分の症状を言い、ああしたらこうしたらと話をしてくれる。
「法子さんに実際に施術を受けてみたいんやけどな」
と話を振ってみた。
「でも場所が無いし、服脱がないとあかんからそれはまた今度な」
おかしいなー!!
この女、絶対欲求不満な筈なんやけど。なんて勝手な想像をしていた俺は肩透かしを食らったようで、諦めてこの一軒で飲みは終わりにして、部屋へ戻って一人で部屋飲みでもするか、と思い始めていた。
料理もひと段落し、日本酒や焼酎でいい気分になった俺達は店を出た。法子は近所らしく自転車で来ていた。
「じゃあね、今日は楽しかった!明日仕事頑張ってね!」
と法子はあっさりとバイバイしていった。
俺は暗い夜道を一人で寂しくホテルへ戻った。道すがらバーでもあれば一杯飲み直して帰ろうと思ったのだが、残念ながらそんな気の利いた店はなく、そのうちホテルに着いてしまった。
俺は法子に今日のお礼のメールくらいは送っておこう、とメールをしたらすぐに返信が来た。
「こちらこそご馳走さまでした。ゆっくり休んでね。ところで腰の具合はどう?」
「腰は相変わらず張ってるよ。ホテルのマッサージでも呼んでみるかな」
「そうなん?上手な人ならいいんだけど」
俺はホテルのマッサージを呼ぼうとしたが、ふと閃いたことがあって、酔った勢いで法子に提案してみた。
「ホテルのマッサージは今一杯のようでダメだったよ。腰が痛くて寝れないよう。法子さん助けて!」
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