誰だ!?誰なんだ!?
俺の頭の中は知り合いの女性達の顔が高速で回り始めた。
あの子でもない、この子でもない……。
絶対見覚えのある顔なんだけど……。
その時だ!!!!
俺の頭の中の高速ルーレットが突如止まったんだ。
あっ!!!子供の幼稚園の行事でたまに見かけるあの人だっ!!
運動会やら発表会やらの行事でたまにみかけるあママさんだっ!!!
俺の胸の中は一気に高揚した。
ここは一旦落ち着け。焦るな俺!
確認だ。まずは確認だ。
はやる気持ちを抑え、俺は車をエレベーター近くに移動させた。
そして女性が戻って来るのを静かに待った。
車内に自分の鼓動が聞こえるんじゃないかという程ドキドキが最高潮に達した。
そんな時、エレベーターのドアが不意に開いた!
中から人が降りてきた。
俺は心臓が口から飛び出るんじゃないかというぐらい緊張した。
「……………。」
降りてきたのは、買い物カート回収のおじさん店員だった。
俺は関西人でもないのに思わず口走ってしまった。
「なんでやねん!」
再びエレベーターが止まりドアが開いた。
中から女性が…。
俺はお笑い芸人でもないのに長井秀和ばりに思わず口走ってしまった。
「間違いない!!!!!」
真正面からみる女性はまさに幼稚園で見るあのママさんだった。
頭の中で今この状況をどうしたら良いのか小さい脳ミソが必死に考えていた。
声をかけるか?
一旦スルーするか?
俺はここはスルーした。
何故なら何も情報がない……。
子供は同じ学年なのか?
ママ同士は知り合いなのか?
全く情報が無かった……。
その時は…。
俺は思い出した。
今週末、幼稚園の運動会だ!!!!
つづく。
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