発展のないまま時間は過ぎ、部屋にけたたましく終了を告げるコールが鳴り響く。
俺は重い腰を上げ、受話器を取り退出10分前である事を告げられ、それに同意した。
瞳「あれ?延長しなかったんだ?」
俺「まぁね、子供がこんな所に長い時間いるのもどうかなと思って」
瞳「へぇー、若いのにそんな事まで気を回してるんだ?ゆうくん偉い偉い」
そう言うと、華奢な手で俺の頭を撫できた。
俺「また子供扱いして…」
ふくれっ面まではしないが怪訝そうな顔をすると、瞳は俺の首に両手を絡めるように抱きついてきた。
俺「…っ!?ど、どーした?」
急な事で頭がパニックになりしどろもどろな感じで言葉を絞り出すと…
瞳「こうしていれる時間も後少しだし、いいでしょ?」
瞳は俺の耳元で囁くような声色でそう呟く。
俺「あっ、うん…」
断るという選択肢は俺の中になく、瞳の懇願をすぐに受け入れ、俺も瞳の背中へと手を回した。
しばし無言の時間が続く。俺の心臓はかつてないほど高鳴り、瞳に聴こえてしまうのではないかと思うと、余計ドキドキした。
瞳「このまま時間が止まればいいのにねー。」
俺「その発言、病みすぎだろ?笑」
瞳「だって病んでるもん。笑」
俺からはこれ以上深く詮索しまい思い口を閉ざしていたが、瞳はそれを察知しているかのように続けて話し出した。
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