辛かったんだと思う
つわりの真似して 明るく振舞ってくれてたが
生理が来る度 『あー また来ちゃった』
と 苦笑いする
半ば諦めていた2人
もうすぐ かおるさんの誕生日が近くなった頃
家に帰り 風呂から 出てビールを出してくれた
何故か ビールを注いでくれようとするので
『いいよ 早く風呂入っておいでよ』でも 注がたがる
『自分でやるから いいって』
『和さん あっ お父さん だね もう』
??? 『嘘? だろ』
はにかみながら 妊娠検査薬を差し出す
ハートのマークが 浮かび上がっている
やったぁーーーーーー暖
飛び上がって喜ぶ 部屋の中を走り回って 喜ぶ
かおるさん は もうぐしゃぐしゃになって泣いてた
抱き合う 涙は止まらない
色んな事が … 一度に頭を駆け巡る
お腹をさすり 『俺たちの赤ちゃん いるんだよな』
『そうよ まだ小さいけど どっちかな?』
『そんなの どっちだっていいよ』
『そうだね』
『明日 病院に行ってくるね』
『俺も行きたいなぁ 仕事休んじゃおかなぁ』
『駄目よ お父さんは 仕事を頑張る お母さんは 子供を大切ち育てる
でしょ』
『そーだよな でも気をつけて行ってこいよ』
次の日 家に電話するが 出ない
おかしいな もう帰ってきてるはずなのに
何回も 電話するが 出ない
仕事を終えて 慌てて帰ると 玄関の鍵は 開いていた
電気をつけると かおるさんは テーブルで 泣いてた
えっ 駄目だったのか
『どーした 』
先生から 高齢出産で 危ないから 色んな意味で賛成は 出来ないと
言われたらしい
『でも 私 産むの いいでしょ 和さん ねぇ 産むの 私 』
うわごとのように か細く呟く
なんてこった なんでだよ 嘘だろ あんなに 喜んでた かおるさんなのに………
どーしても産みたい と 言って聞かない かおるさん
『勿論 産んで欲しいけど かおるさんに 危険があるなら 俺は 嫌だ』
『でも 産むもん』
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