旅館での夕食、私達が席に着くとすぐに係りのお姉さんがやってきて
「お飲み物は如何ですか?」
美智代の表情が一瞬強張ったことを、私は見逃さなかった。
「熱いお茶をお願いします」
私の注文に安堵した様子だった。
「呑まないの?」
「お酒は一滴も呑まないって言っただろ?」
パッと明るい表情に戻った美智代だったが、落ち着かない素振りでモジモジしている。
その理由は私だけが知っていた。
当地では最高級にランクされている旅館だったが、私は部屋での食事を断り、食事処で用意して貰った。
自分が眠る部屋で食事を摂るなんて、とても考えられない。
若い頃から常に我儘を通させて貰っている。
美智代も私の気持ちを説明したら、理解してくれた。
食事処は半個室になっていて、私達の他には同年代のカップルが一組だけ、酒を味わいながら食事を進めていた。
向かい合わせに座った美智代の顔を、じっと見つめていると、彼女は頬を赤く染めながら…
「あまり見ないで…」
恥ずかしそうに囁いた。
「浴衣の下には何も身に着けていないなんて誰か気付かないかなぁ」
耳まで赤くなりながら
「だめっ!聴かれちゃう」
「美智代がスリルを味わいたいって言ったんだよ」
彼女の瞳は潤み、唇は微かに震えていた。
かなりMっ気が強い美智代の一面を発見した私は、今夜の攻め手をあれこれ思案していた為に、折角の料理の味が全く解らないまま食事を終えた。
部屋に戻る途中ふと思い付いて
「ちょっとお庭を散歩しようか?」
「じゃあ少し待ってて…落ち着かないからパンティだけ穿いてくる」
「いいよ、そのままで」
半ば強引に美智代の手を引いて庭に出た。
広い庭には遊歩道が整備されていて、所々に設置された照明が淡い光を放っている。
私の左腕に縋りつく美智代に対して肘を突き出し、胸の膨らみを刺激しながら歩を進める。
「もう、エッチなんだからぁ」
「あれっ?当たってた?」
「わざとしたくせに…」
周囲を見回して美智代は声を潜めた。
「感じちゃうからだめっ!」
「そうかぁ、美智代は感じちゃうのかぁ」
私の声に驚いた美智代は慌てて
「いやっ!やめてっ!」
私の腕を離してひとりで先へ歩きだした。
薄暗がりで追い付いた私は、素早い動きで浴衣の合わせ目から、美智代の股間に手を差し入れた。
「あんっ!」
私の指先は忽ち潤みにまみれていた。
「ほら、美智代、よく見て」
そう言って私は、指を自分の口元に運んでいた。
「えっ!」
美智代が急いで私の腕を捕まえようとしたが私の動きの方が速かった。
見せ付けるように指を舐め、咥えていた。
「もう…いやらしいんだからぁ」
「いやらしいから嫌いになった?」
問いかけに応える代わりに、美智代は私の腕を強く胸に抱いていた。
浴衣を通して美智代の熱くなった肉体を感じていた。
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