「さあー食べて」と言って、チャーハンが用意してあったんです。
二人で食べながら、辻本さんが「ありがとう。今度お礼しなくちゃね。何がいい?」と聞くので、
「いいえ、何も。普段、教えて貰ってお世話になってるし....」と言うと、
「あら遠慮しなくていいのよ~!私で出来る事なら言って?」と言われたんです。
僕が、「今は思い付かないので・・」と言うと、「そう、じゃ何かあったら言ってね!」と言われました。
でも、心の中では、『辻本さんを下さい』、『まだ女を知らない僕を男にして下さい』とも言ってました。
ワンルームに帰ってから、ダメもとで、よし、明日この言葉を言ってみようと思ったんです。
次の日の休憩時間。
「昨日はありがとうね、主人もよろしくって言ってたわよ」とお礼を言われたんです。
僕は思い切って、「あの~」と言うと、「なあに?」と聞かれ、「欲しい物があるんです」と切り出したんです。
「あら、何?」と聞かれ、「辻本さんが.....。」と言ったんです。
「あたし?なにか頼み事?」と聞かれ、「ハイ、その辻本さんが欲しいんです」と言ってしまったんです。
辻本さん、意味が分かったらしく、「エッ、それは困るわ....。だって私には主人も子供だっているのよ」と言うんです。
僕が「分かってます。何か欲しい物と言われたんで、辻本さん意外に思い付かなかったんで....。」と言ったんです。
辻本さんは「ひょっとして・・・まだ?」と聞くので、「はい、経験無いです」と正直に言ってしまったんです。
辻本さんは、笑いながら、「早く彼女作りなさいよ~!そうすれば、私みたいなおばちゃん見向きもしなくなるからー」と言って、その場を離れて行ってしまいました。
『あ~あ、言わなきゃよかった』と少し後悔しました。
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