2日目。
午前中は、しおりさんの希望で商店街を巡りました。大型スーパーばかり出向いていた僕にとって、商店街は古いイメージがありました。
それでも、いろんなお店を彼女と見ながら歩くことは、とても楽しかったです。
午後になり、大きな公園に出向きました。平日なので、人は少なかったです。長い壁に、いろいろと絵が描かれていて、それを見ながら歩きます。
小さな橋が見え、近くにベンチがあったので少し座って休みます。
ふと近くの壁を見ると、教会の絵が描かれていていました。教会の鐘の部分には、小さな本物の鐘が取り付けられていました。
『しおりさん、あそこで結婚しよう。』と、その絵の前に連れて行きます。背丈ほどの教会の前に立ちます。
紐を引っ張って、鐘を鳴らし、乗り気でない彼女とキスをしました。おママゴト結婚式ですね。
どうしても、報告の為に会社に行く必要があった僕は、午後3時に名残惜しいですが、帰路につきます。
車内では、しおりさんは疲れたのか無口になっています。
『疲れたぁ?』
『ちょっと。』
『疲れてるでしょ?なんか静かやし。』
『結婚式…。』
『ん?』
『結婚式で、胸がいっぱいになってるの!』
『へぇ?』
『キミがあんなことするから…。』
『ほお。』
『キミのそういうとこが可愛いなぁ~と思って。』
『そう?』
『なんか純粋よねぇ。ほんと好きだわぁ、キミのそういうとこ。』
と、ママゴト結婚式に少し感動していたしおりさんでした。
その夜。先に寝室に向かった僕。後から、しおりさんが姿を見せました。その姿に、少し驚きました。普段のパジャマではなく、浴衣姿でした。
『これが一番白いヤツだと思う…。』と、結構ガラはありますが、全体的に白い浴衣でした。
布団の中に入ってきた彼女は、『初夜だから、白いのにした。』と言っていました。結婚式をしたので、確かに今夜は初夜になります。
その夜の彼女は、確かにどこかウブでした。処女のように振る舞っていました。その中で一度だけ『あなたぁ~。』と呼ばれてしまいました。
この先、もしかしたらもしかするかもしれませんね。
おしまい…。
長い間、御愛読ありがとうございました。このあたりにしておきます。つたない文章にお付き合いくださり、感謝いたします。
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