その日以来、彼女との連絡が途絶えました。メールしても返信はなく、一度電話をしましたが呼び出し音だけが鳴り響きました。
確実に会える借金の支払い日がチャンスと思ってましたが、いつも待ち合わせる喫茶店に彼女は現れずに、1ヶ月半以上も連絡がつきません。
連絡がついたのは、2度目の電話を掛けた時でした。「しおりさん?お話を聞いて欲しいんですが…。」
「なに?」
「会って話ししたいんですが…。」
「ここでいいでしょ。なに?」
「お金…返さないといけないと思って…。」
「ああ、また取りに行くわぁ。それだけ?」
「……。」
「なんもないなら、切るよ?」
あまりに素っ気ない彼女の対応に押されてしまい、喋りたいけど、何も喋れません。しかし、彼女のこの一言が救ってくれました。
「切るけど、いいの?また連絡つかなくなるよ?言うことないの?」
「この前のこと、謝ろうと思って…。」
「うん。謝って。」
「この前、すいませんでした。謝ります。」
「それで?何があったの?」
もう、正直に話をするしかありませんでした。
「あの前の日、僕の同級生がしおりさんのお店行ったんです。しおりさん会ったと思うんですが。それ聞いてしまって、おかしくなりました。すいません。」
「それが私のお仕事って、前にも言ったよねぇ?」
「そうなんですが、子供なんで悔しくて、なんか我慢が出来ませんでした。ごめんなさい。」
「君さぁ、こう思ってるでしょ?お友達に犯られたから、この女汚いとか。そんな気があるでしょ?」
「そんなんないですよぉ。」
「よく考えて。絶対にあると思うよ。心のどこかに…。」
「ないです。絶対にないです。」
「汚れた女やから、強姦でもしてやれって。そんな感じでしょ?」
「……。」
もう、この頃には僕は涙声で話をしていたと思います。流石に、彼女も気づき話し方も穏やかになって来ます。
「私、悪い?」
「しおりさんは、何も悪くないです。僕が子供で理解してあげられないから…悪いんです。すいません。」
「君さぁ、ちゃんと本音で喋って。うわべの言葉はいいから。ちゃんとお話ししてくれたら、私も本当の気持ち言うから…。」
もう、覚悟を決めました。言葉を選ばずに伝えようと思いました。
「しおりさんが好きで仕方ないんです。毎日会いたいし、一緒にいたいんです。」
「うん。」
「けど、しおりさんの仕事あるし、毎日会えんし…。」
「うん。」
「好きやから、しおりさんが他の方に抱かれるの嫌やし、同級生って聞いたらもっと嫌やし…。」
「うん。」
「子供だからか分からんのかも知れんけど、しおりさん好きやから、そんなことあったらおかしくなるんです。ごめんなさい!すいません!」
なんとか、涙声で言いきりました。
「うん。ありがと。」
「……。」
「タイトくん、何も間違ってないよ~。それが普通よ。好きな女性が、別の男性に何かされたら嫌になってあげて当然。女も一緒。」
「はい。」
「君が、私に対してそういう気持ちになってくれたことは、素直にうれしいです。」
「はい。」
「じゃあ、私の気持ちも言います。」
「はい。」
「君のこと、好きです。」
「はい。」
「けど…、はっきり言うね!まだ子供だと思う。息子のヒロキが二人いるみたいに見える時あります。」
「はい。」
「だからこの前、彼氏が子供か分からないと言いました。君がもっともっと成長してくれたら…」
「はい。」
「あなたを愛してると言いたいです。」
「……。」
「これでいいですか?」
「はい。ありがとう。」
彼女の言葉を聞き、少し落ち着きました。そして、彼女から、「仲直りでいい?」と聞かれ、「はい!」と答えました。
流石にしおりさん、このままでは終らせません。
「ところであんた!そこで何してんの?」
「えっ?」
「女、出来た?」
「はあ?出来てないけど…。」
「ほんとに?」
「ほんとに…。」
「なら、溜まってるやろ?」
「はあぁ~?(笑)」
「溜まってるなら、いらっしゃい。」
「いいの?」
「めちゃくちゃ、濃~い精子が出るんじゃないの?」
「たぶん。」
「ふふふ…。」
「あはは…。」
「なら早く、オマンコに入れに来て。(ガチャ)」と、素晴らしい捨て台詞で切るしおりさんでした。
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