俺は、何だかモヤモヤとイライラしながら家に帰った。
とりあえず美沙ちゃんの家に電話した。
家に居るはずなのに出ない。
何とも言えないモヤモヤした気分だった。
恵子さんに会いたかった。
めちゃくちゃ甘えたかった。
俺は携帯を持っていなかったから、家電からいつもかけていた。
当時の携帯料金はバカみたいに高かったので、会う約束をする時だけかけていた。
用件を伝えたらすぐに切る。そんな業務電話みたいな感じだった。
それに、恵子さんは仕事もしていたし、結婚してたし、Hってブサイクな子供の母親だったから、いつでも電話していいと言う訳じゃなかった。
恵子さんの仕事が終わって家に着くまでの時間だけ電話をするのが許されていた。
時計を見て、まだ家には帰ってないな…と確認した。
恵子さんの携帯を鳴らした。
「はぁい。もしもし?K君?」と恵子さんが出た。いつもの明るくて優しい声だった。
俺は「今日って時間ある?もし恵子さんに時間があったら会いたい。」と言った。
恵子さんは「どうしたの?何かあったの?」と聞きかえされた。そのまま恵子さんは「うん。大丈夫だよ。会えるよ。」と言ってくれた。
いつもの待ち合わせ場所で会う事になった。
恵子さんを待っている間、俺は考えていた。
この前、恵子さんに言われた、「ちゃんと同じ位の年の彼女を作りなさい。彼女が出来たらちゃんと話してね。」と「K君に彼女が出来ても別れないから」って言葉を思い出していた。
しかもその後に、恵子さんに会いたい気持ちをごまかす為に付き合った彼女と、ちょっとつまづいたからって恵子さんを呼び出してしまった…
なんて話そう。とか、内緒にしとこうか。とか色々頭に浮かんでた。
それに美沙ちゃんの事も考えてた。
とりあえずって感じで付き合い始めたのに、嫌われたかな?とか考えた。
ソワソワしながら恵子さんを待った。
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