午後6時過ぎ。閉店30分前を控えたこのお店に、僕が度々出没をするようになります。もうお客も現れない時間帯に、由希子さんと雑談をするためです。
『年の離れた二人の友情。』、口にこそ出しませんがお互いにそんなものが感じられていて、会話も弾むのですから、やはり息があったのだと思います。
そんな頃でした。『そんな本とか読む?』と言われ、見ると数冊の雑誌が置かれていました。きっと、僕のために置いておいてくれたものです。
見ると、ちょっと大人の週刊誌。お客様のためなのか、毎週3冊程度ですがこのお店に置かれているものでした。
彼女は女性誌ではなく、あえて大人向けの週刊誌を僕のために取っておいてくれたのです。もちろん、数ページですが女性のヌードが掲載されています。
僕は一番上の雑誌を数ページパラパラとめくりました。それだけで女性の裸体が見え隠れをしてしまい、『やばっ!』ってなります。
こんな姿を、由希子さんにはあまり見せたくはありません。
すると、カウンター越しにいた彼女が、『そんな本、読む?』と言いながら、こちらにまで出てきてしまうのです。
由希子さんは、積まれた雑誌の表紙をめくりました。1ページ目には、何があるのかを知っているからです。
『こんな娘の裸、見たりするでしょ?』と、それが当然であるかのように言ってくれるのです。
由希子さんは更に雑誌を手に取り、わざわざ僕の前で広げてくれますが、やはり照れくさいです。
最後にヘアヌードを見て、『これ、もう全部見えてるじゃないのぉ~。』と言って、雑誌を僕に渡してくれました。
初めて由希子さんのそんな一面を見せてもらった、そんな日となりました。
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