ある日、春美が街でもらって来ていたポケットティッシュ。
2ショットの広告付き。
春美は女友達との会話で、当時の出会い系がどんなものかはいろいろと知ってたようだ。
まさか私の目を盗んで・・・ いやいやそんなはずはないよな。
そして、私もとんでもないことを言ってしまい・・・
「ねぇ春美、さんぴーって、聞いたことある?」
「うん、男2人と女1人でするんでしょ。」
「やってみたいと思ったことない?」
「もう一人の男の人はどこで見つけるの? 学校の人とか嫌よ。」
「俺もそれ嫌やから、コレで見つけてみたり。」
「それ本気なの?」
卒業したら、私も春美もそれぞれの地元に帰らなければならない事情があった。
私と春美の共通点はかなり多かった。
母子家庭、一人っ子、地元に帰る条件で進学・・・
私は、3年も付き合ってきた春美と、そのまま結ばれたいと思い始めていた。
春美の思いも、それは同じだった。
でも、すでに決まっていた。
私の場合は、母に春美のことを話していて、将来帰ってくればいいと言ってくれた。
でも、春美の母が、どうしても許してくれなかった。
3年生の冬休み、お互い地元で就活することを決めた。
春美と春美の母が、電話越しでよく揉めていたのを思い出した。
無事、お互いに内定先が決まり、あとはほぼ卒論だけの4年生の9月。
土曜日の夜、私はティッシュの2ショットにあった『男性マニア専用』に、電話をかけていた。
どうしてもやってみたかった、3P。
その夢を、ひとりの野太い声の持ち主が叶えてくれ・・・
私:「こんばんは~」
男:「おぅ、兄ちゃん。年いくつや?」
私:「22です。学生です。今彼女と」
男:「おぉ、そうか、それは嬉しいわぁ!」
私:「なぜですか?」
男:「今な、こっち嫁はんといてんねん。一緒にセックスせぇへんか?」
私:「え? マジですかそれ?」
男:「彼女さんに電話代わってみて?」
春美:「こ、、、こんばんは」
男:「かわいい声やなぁ。おっちゃんとこ遊びにおいでや!」←多分こんなこと言ったはず
私:「ど、どこに行けばいいんですか?」
男:「○○っちゅうラブホや。タクシーで来てや。ついでにタバコとジュースも買うて買ってきてくれへんか? 今から携帯教えるさかい近くまで来たら電話してや!」
私:「えっ?」
男:「なに、金なら立て替えといてや、全部払うさかいに」
今思えば、こんなにトントン拍子の流れ、恐い。
でも、この男、もといご夫妻との出会いが、楽園への扉を開いた。
卒業まで、あと7ヶ月。
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