サークルでとてもお世話になっていた1つ上の先輩が、急死したとの連絡だった。
それで、同期会を兼ねてお墓参りをしようということになった。
先輩の地元は、大学のすぐ近くだった。
お世話になった先輩、もちろん、参加することに。
ということは・・・春美も、来るのかな?
私は春美の連絡先を知らないし、誰にも聞いていない。
春美からも、何の連絡もないので、来るかどうかも分からない。
同期会自体、遠方だから参加していなかったから、何の情報もない。
同期会当日、伊丹空港に降り立ち、バスを待っていた。
「夏也~!」
手を振りながら私のほうへ走ってくる小柄な女性。
まさしく、春美だった!
「おぉ! 春美! 元気だった?」
私を空港内で見つけ、追いかけてきたという。
「先輩にはお世話になったんだよね。突然でビックリした。」
「あたしもよ。」
一緒にバスに乗り込み、自然と、隣同士に座った。
「春美は今何してるの?」
「結婚して仕事やめて、今育児中。」
「お子さんおいくつ?」
「4歳と2歳の男の子よ。夏也は?」
「あ~、俺バツ1個ついちゃってさぁ・・・」
「え~~! 夏也がバツイチなんて・・・」
サークル同期のヤツらと再会。
一緒に先輩の墓参りをした。
同期会のある居酒屋で、私と春美は隣同士にさせられた。
「お前ら九州と東北やから、なかなか声かけづらいねん。」
「同期のカップルで、一番ラブラブだったよな!」
「4年の後期、何で毎週のようにどっか行ってたん?」
最後の質問、変態の集いって言えんよ・・・
そんな中、ある女子が言った。
「夏也くんがあそこのビジホに泊まるって情報を聞いたからな、春美もそこ泊まりって教えたわ。」
「春美ね、夏也くんが来るって言ったら大はしゃぎしてたんだよ!」
居酒屋を出ると、もう2人でどっか行けって雰囲気にさせられた。
みんな知っていた。
当時、私たちが別れなければならなかった理由を。
特に、女子の面々は、春美とそのことで朝まで飲み明かしたことがあった。
気を遣ってくれたみんなに感謝して、遠慮なく春美と2人で歩き出した。
まさか2人とも同じビジホとは思わなかったので、じゃ俺の部屋に来いよってことで、チェックインしてから私の部屋に春美を招きいれた。
コンビニで買ったビールで、改めて乾杯。
春美の顔をみると、やつれている感じがしたので聞いてみた。
「旦那のエッチが、全然面白くない。」
「どんな感じで?」
「たま~に早く帰ってきたと思って、楽しみにしていたら、勝手に入れて出して、ハイおしまいだよ~」
「春美のようなエッチ好きに、それ酷じゃない?」
「育児にも協力してくれないし、私のお母さんも頭に来てるのよ。」
「何か俺も冴えないんだよね~」
「お互い、いろいろ大変ね。」
「最近、大学入学からやり直したいよ、って思っちゃう。」
会話が、どんどんネガティブな方向へ。
8年ぶりに会ったのに、このままじゃ寂しい。
そうなれば・・・
「瞬さん、覚えてる?」
「わぁ! 懐かしいね! お元気かしら?」
「もう連絡先は分からないねど、会えるものなら会ってみたいよね。」
「パイパンにされたね、あたし。」
「お前その後俺の寝てる隙にパイチンにしたな。」
「だってお揃いがい~んだも~ん。」
話がエッチな方向へ向いたとたん、2人とも元気になってきた。
春美の笑顔に、当時の輝きが戻ってきていた。
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