続きです。
メールでのたわいもないやり取りに紛れて、彼女は際どい写メを送って私をからかったりして、楽しんでいたりもしたが、決して会う事は無かった。
彼女は月曜日から土曜日は仕事で、日曜日は必ず家族と出かけていたのだと思う。
そんなやり取りを2年ほど続けた時、私は大学を卒業し、新幹線でおよそ1時間離れた町の会社に就職することなった。
新入社員研修などの忙しさを理由にそれ以来連絡をとらなかったのだが、7月に入った頃、彼女からメールを受け取った。
メールのやり取りの最後に彼女が突然会いたいと言ってきた。
これ迄の経緯から、何かあったのだと予想はしたが、一か月後の夏休みに実家に帰る事だけを伝えた。
夏休み中の火曜日の夕方に会う事が決まった。
会う日の待ち合わせ場所に向かう最中は、写真でしか見たことのない彼女を想像しながら、その日のプランを考えていた。
もちろん、ホテルに行く事の期待はあったが、本来内気な私は彼女に任せる事に決めた。
待ち合わせ場所に着くと、彼女がいた。とびきり綺麗ではなかったが、笑顔が可愛くロングヘアーのよく似合う女性だった。
私達は、待ち合わせ場所のすぐ上にある個室の居酒屋で今までの事をいろいろ語った。
仕事の事、お互いの家族の事、彼女の息子の事。
その間まるで付き合いだしたばかりの中学生のように、真面目にお酒をのみながら話しをした。
終電の時間が差し迫った頃、店を出て駅に向かう途中で私から手を繋いでみた。
彼女は立ち止まり、僕を見つめて来たが、恥ずかしさもあって、気付かない振りをして歩き続けた。
駅に着き電車を待つホームで彼女が私を見つめている事に気が付いた。
私は思わず彼女を抱き寄せ、キスをした。
彼女は拒まなかった。
彼女の表情を見ると、目をトロンとさせながら2回目を要求して来た。
そこから、電車が来る迄の数分間、ホームにいるのも忘れてキスをし続けた。
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