「呼び止めてしまってご免なさい」
「あの~、差し入れありがとうございました」
「あえ、いえいえ、こちらこそごちそうさまでした、美味しかったです」
「そんなこと言われたら恥ずかしいけれど、よかった」
「それで、あのぉ、それで、持ってきていただいたお酒なんですけど一緒に飲みません?」
同じ言葉を繰り返すとは、チカさん緊張しているのかな?
「明日はお休みですよね?」
「午後は予定がありますが、まあ、一応休みです」
「え?お仕事ですか?」
「あーちゃんと遊ぶ約束」
「もうっ」
これで緊張も解れました。
チカさんが作ってくれた簡単な肴を食べて、お酒を飲みました。
飲むにつれて、最初は愛莉ちゃんに優しく接してくれたことへのお礼から、だんだんと元旦那の愚痴を話し始めるチカさん。
私は黙って聞き役に徹していました。
愛莉ちゃんが生まれたあたりから、DVとモラハラが酷くなり、それが原因で離婚したそう。
気がつくと、チカさんの目から涙がこぼれ落ちていました。
私は立ち上がると、チカさんの隣に行って
「辛かったね」
一言そう言って、お酒の匂いのするチカさんの口にキスをしました。
そのあとで、チカさんの華奢な身体を抱きすくめると、暫くの間胸に顔を埋めて泣いていました。
「キスして」
顔をあげたチカさんからの言葉に、もう一度、こんどは舌を絡めたキスをしてあげました。
「もっとキスして」
チカさんの要求に、何度も何度も繰返しキスしました。
そして、服の上からおっぱいを触ってみることに。
嫌がられたらどうしょうかと考えながらです。
おそるおそる、腫れ物にでも触るかのような感じで手のひらに包み込みました。
「ん、ふぅ~」
塞いだチカさんの口から甘い吐息が洩れました。
どうやら嫌がってはいない様子です。
私はそのままチカさんのおっぱいを、手のひらで包み込んでいました。
時折、優しく揉みながら。
「あっ、ああ 」
チカさんは明らかに感じていました。
そういう私もアルコールが入っていましたが、チカさんにキスをした時から既に勃起が始まっていました。
チカさんを抱こうと思えば、抱けたかもしれない雰囲気でした。
しかし、初めて部屋にお邪魔して、初めてキスしたばかりです。
いきなり初日にセックスするとは幾らなんでも無謀すぎ。
それに、離婚してからはセックスとは縁が無く、避妊具は程遠い存在になっていました。
チカさんも同じで、避妊具など持ち合わせてもいませんでした。
いい雰囲気でしたが、この日はこれでお開きとしました。
「チカさんをチカと呼びたいけど、だめ?」
「ううん、だめじゃない」
「愛莉ちゃんの前ではチカさんで呼ぶから」
「うん」
「あなたのこと好きになってもいいですか?」
「ありがとう」
「もう帰るの」
「うん」
「キスしていい?」
靴を履いた私にキスをしてきました。
「今日はありがとう、ごちそうさまでした」
「次の土曜日待ってるから」
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