居酒屋からホテルへ
居酒屋でお酒を飲みながらも頬を少し赤く染めながらも冷静さを保っていた冴子だったが、問題の書類を目にした瞬間、大きく目を見開き明らかに狼狽の表情を見せた。私は席を立ち、冴子の両肩に背後からポンと両手をかけた瞬間、彼女はビクンと身体を震わせた。
そんな冴子を前に、ここは一気に押すべきだと思った。今一気に押し流さないとチャンスは流れる。このまま強引に押し流すしかない。上手くいけば最高の女体が手に入る。
私は彼女の豊満な乳房をスーツの上から揉み、お尻を撫でまわしながら優しく脅し続けた。ここは勝負の山場だ。簡単に引く訳にはいかなかった。
冴子は小さく俯くとそっと零した。
「分かりました。主任の好きなようにして下さい」
私が冴子との駆け引きに勝利した瞬間だった。この言葉を聞いた瞬間、私はその喜びのあまり思わずガッツポーズをして叫びたくなったが、それをぐっとこらえた。
居酒屋では狼狽していた冴子だったが、ホテルに向かうタクシーの中では、何時の冷静さ、鋭さが戻っていた。携帯に視線を落したまま、私には一瞥もくれずに静かに呟いただけだった。恐らくは決意を固め、ホテルで私をさっさと満足させてそのまま終わらせようと言うのだろう。
「甘い、甘いよ! お嬢さん!」
私はこれから先の事を思うと笑みが零れるのを我慢出来なかった。はっきり言って自信があった。どれほど、お固い女性でも、私と一度寝たなら必ず次は女の方から誘ってくる。これは根拠のない自信ではなく、自身の経験に基づく自信だった。
冴子はメールを夫に打っていた。今ごろ奥さんのメールを見て、「今日は帰ってこないのかあ」とのんびり待っているだけだろう。奥さんはあんたの知らない男の慰みものになろうというのに、その事に気づく事もなく、さっさと夢の国へと旅立つだけだ。だが現実は違う。お前が夢の国にいる間に私は奥さんの全身を貪りつくし、そして夜が明けるころに奥さんはそれまでの女性とは生まれ変わって淫乱になり、私のものになっているだろう。真面目だけが取り柄のバカ旦那はそんな奥さんの「転生」に気付くことすらないだろう。痛快で仕方がなかった。
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