夜までが、気が遠くなる。イライラしている。
美紗の笑顔や笑い合う時間を焦がれている訳ではない。
あの悩ましい表情が欲しい。
あの身体(おんな)が欲しい。
だけなのに…。
こんなに、くるしいのだ。
夜が来ると、私は喫茶店で待つ美紗を車に乗せると、車も出さず、車中で求めた。
ややあって、私の身体は少し落ち着きを取り戻した。
三度目の美紗との交わりで、私は気付いた。
美紗は…
美紗の身体は、潤う事なく、渇きを与え続ける
そう『麻薬』なのだ。
もう、どうしようもない。
美紗を連れてモーテルに入る。
余り、記憶がない。
どれ程、時間がたったのか?
どうやって、モーテルまで来たのか…。
記憶が、ない。
私の隣で静かな寝息を立て、安らか顔で美紗が眠る。
美紗の頬には、溢した涙の痕がうっすら白く残る。
頬は桃の花の様に 紅い。
記憶が飛ぶ程に…自我を失い、美紗を求めたのか…?
やはり、私は…
『どうか、している』
いや、狂っている?のか…。
だが、美紗の安らかな寝顔が私の不安を和らげる。
『出来る事なら、このまま美紗と一緒に、どこか、誰も知らない処に…』
はじめて思った。
仕事も住まいも棄て、美紗と何処か、何処でもいい。毎日、この身体(おんな)を味わいたい。
私は、眠る美紗を仰向けに直してスヤスヤ眠る唇に私の男を押し付ける。
暫く美紗の柔らかい唇の感触を私の男で舐めまわす。
美紗もうっすら夢から戻され、気だるそうにゆっくりと唇をひらく。
美紗の意識がまだ、夢の中と現実の曖昧な処にいる中にも拘わらず、一気に美紗の喉奥に私の男を押し込む。
喉奥の急な圧迫に、一気に夢うつつの美紗は、はっきりと目を覚ました。
みるみる、美紗が喉奥の苦しみに顔を歪め始めた。
どんどん瞳が細まり、充血する。
私が美紗の喉奥を圧迫したり、緩めたり、ゆっくりスライドさせる。
粘った美紗の唾液が、私の出し入れする男に白く泡立ち絡みつく。
美紗の細い身体がくねり、美紗の瞼から、キラッと涙が浮かぶと耳に向かって落ちていった。
私は、美紗の口淫を充分に楽しむと男を引き抜いた。
美紗の小さいながらも厚みのある唇をヌルヌルと捲りながら抜かれる私の男は、美紗の濃度な唾液を白く泡立たせたまま、美紗の口と糸を引いて繋いでいた。
私は、そのまま。
美紗の両足を持ち上げ、美紗の女の部分に私の男を押し立て、一気に貫く。
無我夢中で美紗の女に突き刺した私の男を出し入れした。
突く度に歪む美紗の顔が、更なる乱暴を求めているかのように悩ましく私を捉えている。
私も、『もっと!この身体(おんな)を苦しめたい!』腹の底から沸き上がる。
美紗の細い首に右手をあてる。
腰を単調に動かしながら、ゆっくり美紗の首に置かれた右手に少し、力を込める。
美紗が、請うような切ない目付きで、コクッと小さく頷き
『首を…絞めて ください。私を…美紗を…もっと壊して、壊してください。好きなように…イジメてください。もっと、美紗を叩いて!乱暴に!レイプ、されたいの!おねがい!』
私は、苦しみもがく美紗に興奮し、首を絞め、頬を打ち、泣き苦しむ美紗の身体の中に実感ある放出感を迎えた。
気が付くと美紗は、痙攣しながら息を荒げ絶頂感を味わっている。
仰向けで天井を眺め、痙攣する美紗の女からは、白濁した精液が、滴りながらベッドに落ちていた。
ベッドのシーツが、いつ、漏らしたのか…
美紗の尿でグチュグチュと音がたつ程に濡れていた。
この日、美紗を待ち合わせの喫茶店に送り、私は、私で帰宅した。
翌日、私は、藤木宅に電話をしていた。
『聡さん。まだ出張か?』
『はい。月末まで、戻りません。』
『じゃ、今日も喫茶店に来なさい。』
『はい…。』
もう、管理人業務も朝の見回りも頭にない。
翌日も、翌々日も
業務を忘れ、美紗に浸った。
月日も忘れ、美紗を抱き
凌辱し、蹂躙し尽くした。
もはや、1日とて欠かせない。
あの『麻薬な身体(おんな)』
細かい事など、覚えていない。
何故か?
今、私は山中で穴を掘っている。
辺りは、夜だろう。
車のベッドライトが、穴を掘る私の影を山に投影している。
私は、冷たくなった聡さんに不思議も感じず、掘り終えた穴に投げ込むみ、血の気を失い、蒼白の冷たい聡さんを埋めた。
翌日、夢なのか?
現実、なのか?
気が付くと男が二人、私の前で怒鳴り、隣では、美紗が泣き、破顔していた。
私は、手錠をはめられ
パトカーまで引きずられるように連行されてゆく。
振り返り、美紗を見る。
美紗は、私と目が合うと
別人になって、したたかな笑み を浮かべ、踵を返し、住宅に消えていった。
あれから、18年。
美紗は、何処にもいない。噂によると、南国に家を立て、自由きままに
暮らしていると…
(完)
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