〇〇子が車を降りて行きました。
「今日,〇〇子と会ったよ。」
帰り,母親に言いました。
「えっ!そう?」
母親を早くに亡くして結婚した時も自分の母親の様に甘えていたものでした。
「元気そうだった?」
「あぁ。変わらなかったよ。」
「そう?〇〇は?」
「うん。元気でやってるみたいだよ。勉強しないでバイトばかりだって笑ってた。」
「そう。似るもんね。でも良かったじゃない。普通に話しできて‥」
「そうだな。」
「元々,良い子だったから。あんたみたいにひねくれてなくて‥」
「うるせぇ!」
「結婚したのかしらね?」
「どうなんだろうな‥」
「聞かなかったの?」
「聞いたよ。」
「聞いたんじゃない。」
「再婚したって。」
「そう‥」
それきり〇〇子の事も〇〇の事も話しませんでした。
自分に言い聞かせて忘れる様にしました。
一週間も経った頃,仕事から帰ると驚く事がありました。
〇〇子が来て,母親と話していました。
「何やってんだ!お前!」
「なんであんたはすぐ怒鳴るの!」
母親が庇います。
「お金借りたの,返しに来た‥。」
「そうか。」
「私があんたが帰るの待ってる様に言ったのよ。」
「うん‥」
「〇〇子ちゃんね,旦那さんと別れたいんだって。ひどい人みたいよ。」
「バカじゃないのか!そんでまたヨリ戻したいってのか?ただ楽な方に逃げてるだけだ!帰れ!」
「何も大声出さなくたって。」
「お義母さん良いの。言う通りだから。」
立とうとするのを
「待って。ゆういちには〇〇子ちゃんが一番なのよ。ゆういちの事見てて良くわかってるの。若いからケンカもしただろうけどゆういちには〇〇子ちゃんが一番‥」
母親が泣きながら言うのでした。
「ヤメろ!人の嫁さんなんだぞ!」
「私は〇〇子ちゃんのお母さんのつもりでいつまでもいるから。」
「お義母さんありがとう。私,帰ります。」
「お前,本気で戻りたいと思ってくれてるのか?」
「うん‥」
「旦那が他に女つくってるってのも,本当なのか?」
「本当だよ。残業だの休日出勤だのって言ってるけど,本当は‥。」
「わかった。一緒に行こう。」
「どこに?」
「お前ん家だよ。旦那に別れてくれる様,頭下げるよ。」
「本当に?」
「あぁ。ちゃゃんと話せばわかってくれんだろ。」
「でも凄い頭,良いし計算高いよ。」
「何ビビってんだよ。」
「ゆういち許してくれるの?」
「何が?」
「私が再婚した事。」「行こう。」
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