10年間の期間限定の約束で、20年前に俺23歳、元妻40歳で結婚した。
元妻はバツイチで、息子を元夫に取られてしまった孤独を、専門学校を出たばかりの俺で紛らしていたが、俺は美しい元妻に夢中になり、綺麗だ綺麗だを繰り返した。
女は若いというだけで男にチヤホヤされたが、年を取ると、男達は若い女のところへ行ってしまうけれど、美魔女の元妻も、以前はモテまくっていたので、嬉しそうだった。
しかし、俺がプロポーズしたらさすがに焦って、何度も断られたけど俺は諦めなかった。
根負けした元妻は、子供は作らないこと、10年後に離婚すること、という条件で、婚姻届けと離婚届の両方を書いて結婚した。
性欲旺盛な20代の男と、四十し頃の女が暮らせば、毎晩と言わず、ひっきりなしに交わった。
女の性欲は40代がピークと言われるが、正に元妻はその通りで、安全日と休日が重なった日、早朝から就寝前まで、最高11回セックスした記録が残っている。
元妻の子宮は、11発の精液度ドロドロだった。
男は若い頃にセックスしたくて仕方がない状態ですが、女は40歳でその状態になるから、俺と元妻の組み合わせは、最高のセックスパートナーだった。
美魔女と言えた元妻に惹かれたのは、その見た目にもあった。
最初は離婚の寂しさを紛らすために俺を誑かした元妻だったが、年齢を重ねても魅力的で、その美貌をキープしていたから俺はメロメロになった。
美貌と重ねた年齢による性欲の高まりで溢れる色気は、若い女にはない艶かしさがあった。
脱いでもまた、ピチピチの女の子よりも、熟された身体のムチっとしたラインが超エロい雰囲気を醸していた。
それから、バツイチ四十路の美魔女は、当たりだが、若い音のと比べてセックスの経験値がまったく違った。
元妻は様々なテクニックで、俺を悦ばせてくれた。
元妻は、俺と一緒に気持ちよくなろうとしてくれるたから、セックスが楽しかった。
元妻は、若い頃よりも劣化してモテなくなった自分を受け入れ、良い意味でプライドが低く、そんな元妻を抱こうとしてくれる俺を満足させようとしてくれた。
元妻は、結婚5~6年ころから、マンネリ化した性生活にアナルセックスや、SMプレイなどを積極的に取り入れた。
美魔女のアナル、美魔女の緊縛、今も鮮明に覚えている。
結婚10年の記念日、最後のセックスをして、約束通り離婚した。
33歳の俺は、まだ元妻に惚れていたが、50歳の元妻は、
「約束だからね。あなたはまだ、若い女性と結婚して子孫を残せる。私はもう50歳で、あとは老後の心配をする年齢。じゃあね。元気でね。ほら、泣かないの。さよなら・・・」
「さよなら・・・」
俺は、元妻を見送った。
その後俺は、35歳の時に28歳の美人事務員と再婚し、37歳の時に女の子が産まれた。
元妻のような艶かしさは無いが、妻は妻で綺麗だから、性生活はそれなりに楽しい。
しかし、元妻のような貪欲さは無く、恥じらうセックスだ。
アナルやSMなど、とてもじゃないが持ち掛けられるような妻ではなかった。
子供が生まれた年、俺は元妻を探した。
居所を掴んで、結婚記念日でもあり、離婚記念日でもある日に会いたいと手紙を送った。
ふたりの思い出の地、新婚旅行で行った温泉地で会った。
離婚して4年、54歳の元妻は変わらず綺麗だった。
部屋は別々に取ったが、夜、元妻を求めた。
「あなたには新しい奥さんがいるんだから・・・」
と言われたが、押し倒して股間を弄れば、ヌルヌルになり無抵抗になった。
俺は、生で挿入し腰を振った。
元妻の艶かしい反応が懐かしかった。
「中でもいい?」
案の定閉経していて、元妻が頷いた。
俺は、今も愛しい元妻の子宮に精液を注いだ。
翌朝、最寄り駅まで元妻を車で送った。
「来年の記念日も、部屋を予約したから、また会おう。」
それには何も答えず、会釈して元妻が駅に消えた。
そして離婚して5年の記念日、6年の記念日、そして9回目の記念日まで、元妻はやってきてくれて、同じ部屋で一晩を過ごし、元妻の子宮へ精液を注いだ。
元妻にはセックスの駆け引きもないので、純粋にセックスだけを楽しめた。
五十路になって、ハリを失った胸や、弾力が低下した肌だったが、柔らかく、垂れはじめた尻や、ややだらしないウエストラインに完熟の女体を感じた。
9回目の記念日の逢瀬の後、駅に向かう車の中で、
「今日で、会うのは最後にしましょう。いくら元妻でも、これは不倫よ。それに・・・」
元妻は言葉に詰まった。
「私、来年は還暦よ。もう、セックスは卒業・・・」
「じゃあ、来年最後にしよう。還暦のお祝いをさせて欲しい。」
「無理・・・」
「もう予約しちゃったし・・・」
「取り消して・・・」
「とにかく、来年も待ってるから!」
と言って、駅に元妻を残して帰ってきた。
そして今年、10回目の記念日に温泉旅館へ向かった。
きっと、元妻は最後の逢瀬に来てくれると信じて、車を走らせた。
旅館に着くと、フロントで俺宛の手紙を受け取った。
差出人は元妻で、この旅館に届いて半年以上過ぎていた。
俺は、部屋で手紙を読んだ。
あなた、出来れば、10回目の記念日に還暦をお祝いして欲しかったです。
でも、これを読んでいる頃、私はもうこの世にはいません。
私は、余命宣告されていたから、10回目は無理だったんです。
本当は、あなたに黙って一人で旅立ちたかったです。
あなたには、私はどこかで余生を過ごしていると思っててほしかったです。
さようなら、あなた、どうかお元気で。
ものすごい勢いで涙が溢れた。
声を出して泣いた。
俺は翌日、元妻の実家がある街を訪れたが、俺は10年前に別れた元夫、元妻の実家へは寄ることを思いとどまった。
そして、この街のどこかで眠る元妻に、
「安らかに眠ってほしい。君と暮らした10年は、俺の宝物箱にしまって、心の片隅に置いておくよ。さよなら・・・」
そう言って、元妻の生まれ育った町を後にした。