あの日、
「うち来る?」って言ってくれたから
「うん!行きたい!」って連れてってもらった。
玄関で脱いだニーハイブーツを手に持ったまま
そーっと泥棒猫のように静かに廊下を通って、奥の彼の寝室へ
声を出さないように営んでいた
あちらで物音がした
「嫁が起きてきた」
囁かれたその言葉にも興奮した
やっていることは最低なのはわかっている
わかっていてもやめられない
抜けられないこの背徳感
付き合って初めて迎えた誕生日
あなたのベッドであなたの腕の中にいたのは私
あの記憶だけで、寂しい夜をあと何回乗り越えていけるかしら