大学出たばかりの俺は、県庁所在地の本社ではなく、県の南西端の人口10万人足らずの街にある支社から社会人をスタートした。
仕事上で商工会と付き合いがあったのだが、そこにいた2歳年下の和子という女と仲良くなり、やがて恋に落ちた。
和子は小柄で可愛らしい女で、地元の高校を出て3年目だった。
お互い惹かれ合い、夏の終わりころには和子は俺のアパートにやってきた。
俺は、男の部屋に上がり込んだ以上、和子は覚悟がってのことだと受け取り、和子を抱き寄せキスした後、ベッドに押し倒した。
「シャワー・・・使わせて・・・」
シャワーを浴びた和子は、恥ずかしそうにその華奢な身体を開いた。
まだ女子高生のように幼さを残した女体、そして美しい女陰は、初物の予感がした。
女唇をめくられてのクンニに、頬を真っ赤に染めて恥じらった。
それでも女核を責められればその快感に震えていった。
快感と羞恥に朦朧とした和子の女穴に、生のまま男根をあてがい、ゆっくりと挿し込んだ。
案の定閊えたから、
「もしかして初めてかい?」
と尋ねると、コクリと頷いた。
処女膜が破れた瞬間、和子が見せた表情を俺は忘れない。
破瓜の痛みにかすかに声を漏らしたが、愛する男の男根で処女膜を貫かれた喜びに、嬉しそうに笑った。
和子の処女膜を突き破った瞬間、男根の先で感じた感覚は忘れられない。
こうして、俺23歳、和子21歳、男と女の関係になった。
やがて和子は女核の快感だけでなく、男根の味を覚え、快楽に身を捩るようになった。
女子高生のように華奢な身体を喘がせて、様々な体位をこなすようになっていった。
和子の処女を貰って2年半、俺に転勤の内示があった。
今度は県の北東端の街にある支社で、当時バイパスが無かったから、県内でも移動には車で3時間かかった。
和子を連れていこうとプロポーズした。
転勤族に娘はやれんと両親の大反対に遭い、ひとり、旅立った。
「元気でね、昭雄さん元気でね、さよなら・・・」
「さよなら、和子・・・」
哀しい別れだった。
和子との別れから28年後、俺は妻子とともに最初の赴任地へ再びやってきた。
街並みはほとんど昔のままで、懐かしさに溢れた。
商工会を尋ねると、知った顔はほとんど退職していたが、小柄な可愛らしいおばちゃんが俺を見て、優しく微笑みながら名刺を交換した。
和子だった。
和子は商工会女性部の部長になっていた。
お互い既婚者なのに、想いを寄せ合ってしまった。
もう、昔の俺たちの関係を知る者は、この街にはいなかった。
間違った恋なのはわかっていたが、本気で愛してしまった。
あの頃の想いが蘇り、気持ちが変わらなかった。
妻に対する愛は完成した愛で、和子に対する愛は未完の愛だった。
一緒の空間にいても、そうでなくても、お互い同じ街にいて、愛しあっている実感があった。
惹かれ合ったが一線を越えることなく、1年半が過ぎた頃、俺と和子が二人きりで日帰り出張することになった。
先方には、朝10時と早めの面会を申し入れ、早朝に出発した。
目的地まで2時間、車内では昔の恋人時代に戻ってはしゃいだ。
仕事を午前中にこなし、昼食を食べ、帰路についた。
そのまま走れば3時には到着するが・・・往路でチェックしていたラブホの前に車を止めた。
和子は黙って頷いた。
もう、迷いはなかった。
俺54歳、和子52歳、29年ぶりに裸で抱き合った。
「昭雄さん・・・」
「和子・・・」
重なる唇、絡まる舌、お互いの身体をまさぐった。
31年前に俺の男根が貫いた、処女だった和子の女唇は、すっかりドドメ色だった。
「生でいいか?」
「ええ・・・そのまま中に・・・もう、終わってるから・・・」
微笑んだ和子の顔に刻まれた皺が、重ねた年齢を感じさせた。
根元まで入れた。
「アァ・・・アァン・・・」
懐かしい啼き声で身を捩る和子は可愛らしくて、妻より2歳年上の52歳でも、妻より若く見えた。
抱き合って、舌を絡めて上と下で繋がった。
経産婦の和子は、上手に躾けられていて、自ら腰を使って男根を味わっていた。
シーツを握る和子の左手の薬指には、俺と違うデザインの指輪が光っていた。
もし和子と結婚していたら、こんなふうに・・・そんなこと思いながら腰を振った。
「和子・・・出すぞ・・・」
「出して、中に出して、昭雄さんの精液中に出してぇぇぇぇぇ・・・」
ドクドクドクドク・・・和子の中に大量の精液が注がれた。
男根が抜けると、女穴から逆流した精液がドドメ色の女唇を卑猥に彩った。
暫く余韻を楽しんだ後、シャワーを浴びながら、
「俺達、年取ったよなあ・・・」
と言って笑った。
帰りの車の中は、お互い無口だった。
婚外性交・・・しかも生・・・そしてそのまま中に出したことは、妻に対する贖罪を生んだ。
きっと和子も、夫への裏切りを後悔していたのだろう。
次第に募る激しい罪悪感、俺達はこのままの関係をずっと続け手はいけないと思った。
離れたくないかったけど、このままでは家庭を壊すのが明白だった。
和子を車から降ろした。
「お疲れさま・・・」
「じゃあな・・・」
家に向かって歩いていく和子の背中を見て、和子を不幸にできないと思った。
たった一回の元恋人同士の浮気中出しは、その後、会うたびに「もう一度」という思いと「もう二度としてはいけない」という思いが交錯した。
和子を求める心と、妻に対する贖罪の念、気が狂いそうだった。
決して消えない和子への想い、募る想いが苦しかった。
あの時、抱かなければよかったと思った。
だから俺は、異動希望を出した。
和子を思い出さないように、この街を離れようと思った。
二年で転勤になった。
最後に和子と会った。
「二度目のお別れは哀しいけど、私、昭雄さんと出会えて、本当に良かった。抱いてくれて、ありがとう。さようなら・・・」
「人生で最後の恋が和子で良かったと思ってるよ。さよなら・・・」
多分、もう二度と会うことはない和子とお別れして、俺は本社のある県庁所在地へ向かった。
都会に住めるから、妻はご機嫌だった。
俺は寂しさの中、どこかホッとした気分にもなっていた。