僕からは電話もLINEもすることはなかった。
いつも彼女からの連絡は公衆電話からだった。
会うのは僕の自宅
『ここでは家事はしなよ』と言う。
「どうして」と言うと『貴方が負担に思うようになるでしょ』と言う。
『貴方はSEXの時、愛していると言わないのね』
僕は「嘘になる時が来るから」と応えた。
『貴方とのSEXは楽しい。新しい下着かったんだよ」と言ってストリップの真似事を始めたりした。
僕にははじめての女だった。彼女にとっては何人目かの男でSEXに慣れていないのがよくわかったのだと思う。
彼女の希望で避妊具は使わなかった。
そんな関係も長くは続かなかった。
深夜電話がかかってきた『ずいぶん電話に出るのが早くなったわね。好きな人ができたのね。別れてあげる』
僕は「わかった」とだけ応えて電話を切った。
それ以降電話がかかって来ることはなかった。